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未治療の局所進行/転移性尿路上皮がんに対するパドセブ+キイトルーダ、無増悪生存期間および全生存期間を改善

[公開日] 2024.03.12[最終更新日] 2024.03.12

この記事の3つのポイント ・未治療の局所進行/転移性尿路上皮がんを対象とした第3相EV-302試験
・ネクチン-4標的抗体薬物複合体パドセブ+抗PD-1抗体薬キイトルーダの有効性・安全性を比較検証
・化学療法と比較して無増悪生存期間、全生存期間を有意に改善
2024年03月07日、医学誌「The New England Journal of Medicine」にて未治療の局所進行/転移性尿路上皮がんに対するネクチン-4標的抗体薬物複合体(ADC)であるパドセブ(一般名:エンホルツマブ ベドチン)+抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のEV-302試験(NCT04223856)の結果がThomas Powles氏らにより公表された。 本試験は、未治療の局所進行/転移性尿路上皮がん患者(N=886人)に対して、3週を1サイクルとして1、8日目にパドセブ1.25mg/kg+1日目にキイトルーダ200mgを投与する群(N=442人)、もしくはゲムシタビン+シスプラチン/カルボプラチンを投与する群(N=444人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として中央画像判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較検証した国際多施設共同オープンラベルランダム化の第3相試験である。 本試験の結果、主要評価項目であるPFSの中央値は、パドセブ+キイトルーダ併用群の12.5ヶ月に対してゲムシタビン+シスプラチン/カルボプラチン併用群で6.3ヶ月と、パドセブ+キイトルーダ併用群で病勢進行または死亡のリスクを55%改善した(HR:0.45,95%信頼区間:0.38-0.54,P<0.001)。 もう1つの主要評価項目であるOSの中央値は、パドセブ+キイトルーダ併用群の31.5ヶ月に対してゲムシタビン+シスプラチン/カルボプラチン併用群で16.1ヶ月と、パドセブ+キイトルーダ併用群で死亡(のリスクを53%改善した(HR:0.47,95%信頼区間:0.38-0.58,P<0.001)。 一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、パドセブ+キイトルーダ併用群の55.9%に対してゲムシタビン+シスプラチン/カルボプラチン併用群で69.5%を示した。 以上のEV-302試験の結果よりThomas Powles氏らは、「未治療の局所進行/転移性尿路上皮がんに対するパドセブ+キイトルーダ併用療法は有意に良好な転帰をもたらし、安全性プロファイルは以前の報告と一致しました」と述べている。 参照元:
Enfortumab Vedotin and Pembrolizumab in Untreated Advanced Urothelial Cancer(N Engl J Med 2024. DOI: 10.1056/NEJMoa2312117)
ニュース 膀胱がん パドセブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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