この記事の3つのポイント
・再発難治性慢性リンパ性白血病を対象とした第3相ALPINE試験およびASCEND試験の間接比較分析
・試験間の分布の違いを調整して間接比較を実施(MAIC)
・奏効率、無増悪生存期間、全生存期間ともにカルケンスに比べてブルキンサで改善傾向が認められる
2024年02月29日、中ベイジーン社のプレスリリースにて、再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるブルキンサ(一般名:ザヌブルチニブ)とカルケンス(一般名:アカラブルチニブ)の有効性、安全性に関して、第3相ALPINE試験およびASCEND試験の結果に基づいてmatching adjusted indirect comparison(MAIC:マッチング調整による間接比較)した結果が公表された。
本試験の結果、無増悪生存期間(PFS)はカルケンスに比べてブルキンサでより改善傾向が見られ、未調整対照群では病勢進行または死亡のリスクが23%減少(HR=0.77,95%信頼区間:0.55-1.07)、調整対照群では病勢進行または死亡のリスクが32%減少(HR=0.68,95%信頼区間:0.46-0.99)した。
完全寛解率(CR)はカルケンスに比べてブルキンサでより良好な結果を示し、未調整対照群ではオッズ比2.88(95%信頼区間:1.18-7.43)、調整対照群ではオッズ比2.90(95%信頼区間:1.13-7.43)を示した。
全生存期間(OS)に関しても、カルケンスに比べてブルキンサで一貫して改善傾向が示された。
以上の結果を受けて、Fred Hutch Cancer Center and University of WashingtonのMazyar Shadman氏は「CLLの治療方法は急速に変化しており、MAICは薬剤のタイムリーな有効性、安全性を提供する方法として有用です。ブルキンサはALPINE/ASCEND試験の結果を通じて、CLLの治療に重要な役割を果たす薬剤の1つであることが確認されました」と述べている。
なお結果の詳細は、2月29日から3月3日までマイアミで開催された第28回国際血液悪性腫瘍学会(International Congress on Hematologic Malignancies)で発表された。
参照元:・試験間の分布の違いを調整して間接比較を実施(MAIC)
・奏効率、無増悪生存期間、全生存期間ともにカルケンスに比べてブルキンサで改善傾向が認められる
ベイジーン社 ニュース