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非上皮型悪性胸膜中皮腫に対する初回治療としてのペグ化アルギニンデイミナーゼ+化学療法、生存期間を改善

[公開日] 2024.03.08[最終更新日] 2024.03.08

この記事の3つのポイント ・非上皮型悪性胸膜中皮腫を対象とした第2/3相試験
・ペグ化アルギニンデイミナーゼ+標準化学療法の併用療法の有効性、安全性を検証
・ペグ化アルギニンデイミナーゼ+標準化学療法は、化学療法に比べて生存期間を改善
2024年02月23日、医学誌『JAMA Oncology』にて非上皮型悪性胸膜中皮腫に対する初回治療としてのペグ化アルギニンデイミナーゼ+標準化学療法の併用療法の有効性、安全性を検証した第2/3相試験(NCT02709512)の結果がQueen Mary University of LondonのPeter W. Szlosarek氏らにより公表された。 本試験は、非上皮型悪性胸膜中皮腫患者に対する初回治療として、週1回ペグ化アルギニンデイミナーゼ36.8mg/m2を最大24ヶ月投与+3週を1サイクルとしてプラチナ系抗がん剤(シスプラチン75mg/m2またはカルボプラチンAUC5)+ペメトレキセド500mg/m2を最大6サイクル投与する群、もしくはプラセボを最大24ヶ月投与+3週を1サイクルとしてプラチナ系抗がん剤(シスプラチン75mg/m2またはカルボプラチンAUC5)+ペメトレキセド500mg/m2を最大6サイクル投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、安全性を検証した試験である。 本試験に登録された249人の患者背景は、年齢中央値が69.5歳、女性が17.3%(N=43人)、男性82.7%(N=206人)であった。 主要評価項目であるOSの中央値は、ペグ化アルギニンデイミナーゼ+化学療法群の9.3ヶ月(95%信頼区間:7.9-11.8ヶ月)に対してプラセボ+化学療法群で7.7ヶ月(95%信頼区間:6.1-9.5ヶ月)と、ペグ化アルギニンデイミナーゼ+化学療法群で死亡のリスクを29%改善した(HR:0.71,95%信頼区間:0.55-0.93,P=0.02)。 副次評価項目であるPFSの中央値は、ペグ化アルギニンデイミナーゼ+化学療法群の6.2ヶ月(95%信頼区間:5.8-7.4ヶ月)に対してプラセボ+化学療法群で5.6ヶ月(95%信頼区間:4.1-5.9ヶ月)と、ペグ化アルギニンデイミナーゼ+化学療法群で病勢進行または死亡のリスクを35%改善した(HR:0.65,95%信頼区間:0.46-0.90,P=0.02)。 一方の安全性として、グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、ペグ化アルギニンデイミナーゼ+化学療法群の28.8%(N=36人)に対してプラセボ+化学療法群で16.9%(N=21人)を示した。 以上の結果よりPeter W. Szlosarek氏らは、「非上皮型悪性胸膜中皮腫に対する初回治療としてのペグ化アルギニンデイミナーゼ+標準化学療法は、標準化学療法に比べてOSを改善し、安全性プロファイルも良好な結果を示しました」と結論を述べた。 参照元:
Pegargiminase Plus First-Line Chemotherapy in Patients With Nonepithelioid Pleural Mesothelioma(JAMA Oncol 2024. doi:10.1001/jamaoncol.2023.6789)
ニュース 中皮腫 ペグ化アルギニンデイミナーゼ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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