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トリプルネガティブ乳がんに対する術前化学療法の効果、人種によって差がある可能性

[公開日] 2024.03.07[最終更新日] 2024.03.07

この記事の3つのポイント ・トリプルネガティブ乳がんを対象とした後ろ向き解析
・術前化学療法の効果に人種差があるかどうかを検証
・病理学的寛解率や全生存期間に人種/民族が影響している可能性を示唆
2024年02月23日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する術前化学療法の病理学的寛解率(pCR)、全生存期間(OS)に人種差があるかどうかを検証した試験の結果がDuke University School of MedicineのHannah E. Woriax氏らにより公表された。 本試験は、2010年~2019年にNational Cancer Database登録された18歳以上のステージI-III期のTNBC患者を対象にして、術前化学療法後に手術を施行した患者の人種別のpCRとOSを比較検証した試験である。 本試験に登録された40,890人の患者背景は、年齢中央値が53歳(44-61歳)、人種は非ヒスパニック系白人が64%(N=26,150人)、非ヒスパニック系黒人が23.7%(N=9,672人)、ヒスパニック系が8%(N=3,267人)、非ヒスパニック系アジア人が3.3%(N=1,368人)、その他の非ヒスパニック系が1.1%(N=433人)であった。 本試験の結果、主要評価項目であるpCRは全体で29.8%であり、人種別では非ヒスパニック系白人で30.5%、非ヒスパニック系黒人で27%、ヒスパニック系で32.6%、非ヒスパニック系アジア人で28.8%、その他の非ヒスパニック系で29.8%を示した。 未調整のOSに関しては、pCRを達成した患者は残存病変のある患者に比べて高率であり、患者因子、腫瘍因子背景の調整後も結果は同様であった。pCR達成によるOS改善効果は、人種差により違いは確認されなかった。 一方pCRは、非ヒスパニック系白人に比べて非ヒスパニック系黒人で低率(Odds Ratio;0.89,95%信頼区間:0.88-0.95)、非ヒスパニック系白人に比べてヒスパニック系で高率(Odds Ratio;1.19,95%信頼区間:1.08-1.31)であった。 また、病理学的奏効率を含めた患者因子や腫瘍因子などの背景因子の調整後も、非ヒスパニック系白人や非ヒスパニック系アジア人では、OS延長に関与が見られた。 以上の試験の結果よりHannah E. Woriax氏らは、「TNBCに対する術前化学療法による病理学的寛解率、全生存期間の改善効果は、人種差により異なる結果が確認されました」と結論を述べた。 参照元:
Racial/Ethnic Disparities in Pathologic Complete Response and Overall Survival in Patients With Triple-Negative Breast Cancer Treated With Neoadjuvant Chemotherapy( Journal of Clinical Oncology 2024. DOI:10.1200/JCO.23.01199)
ニュース 乳がん 人種

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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