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抗PD-1/PD-L1抗体薬治療後の非小細胞肺がんに対するイミフィンジ+ceralasertib、有望な抗腫瘍効果を示す

[公開日] 2024.03.06[最終更新日] 2024.10.10

この記事の3つのポイント ・抗PD-1/PD-L1抗体薬治療後に病勢進行した非小細胞肺がんを対象とした第2相のHUDSON試験
・抗PD-1/PD-L1抗体薬に対する耐性克服を目的としたアンブレラ試験
・抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+ATR阻害薬ceralasertibで有望な結果
2024年02月14日、医学誌『Nature Medicine』にて抗PD-1/PD-L1抗体薬治療後に病勢進行した非小細胞肺がん(NSCLC)に対する抗PD-L1抗体薬イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)+ATR阻害薬ceralasertib、イミフィンジ+PARP阻害薬リムパーザ(一般名:オラパリブ)、イミフィンジ+STAT3に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドdanvatirsen、イミフィンジ+抗CD73モノクローナル抗体oleclumab併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のHUDSON試験(NCT03334617)の結果がInstitut Gustave RoussyのBenjamin Besse氏らにより公表された。 HUDSON試験は、抗PD-1/PD-L1抗体薬治療後に病勢進行したNSCLC患者(N=268人)に対して、イミフィンジ+ceralasertibを投与する群、イミフィンジ+リムパーザを投与する群、イミフィンジ+danvatirsenを投与する群、イミフィンジ+oleclumabを投与する群等に分け、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性等を検証した多施設共同オープンラベルの第2相試験である。 本試験の結果、主要評価項目であるORRは、イミフィンジ+ceralasertib群で最も高い13.9%(N=11/79人)を示したのに対して、その他の併用群では2.6%(N=5/189人)を示した。副次評価項目であるPFSの中央値は、イミフィンジ+ceralasertib群の5.8ヵ月(80%信頼区間:4.6-7.4ヵ月)に対して、その他の併用群では2.7ヵ月(80%信頼区間:1.2-2.8ヵ月)を示した。OSも中央値は、イミフィンジ+ceralasertib群の17.4ヵ月(80%信頼区間:14.1-20.3ヵ月)に対して、その他の併用群では9.4ヵ月(80%信頼区間:7.5-10.6ヵ月)を示した。一方の安全性として、イミフィンジ+ceralasertib群の安全性プロファイルは管理可能な内容であった。 バイオマーカー分析の結果、PD-L1阻害とATR阻害により免疫変化を誘導し、抗腫瘍免疫を再活性化することが示唆さた。イミフィンジ+ceralasertibは、免疫療法抵抗性のNSCLCにおいて今後さらなる研究が実施される。 参照元:
Biomarker-directed targeted therapy plus durvalumab in advanced non-small-cell lung cancer: a phase 2 umbrella trial(Nat Med 2024. DOI:10.1038/s41591-024-02808-y)
ニュース 肺がん ATR非小細胞肺がん

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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