この記事の3つのポイント
・早期大腸がんを対象に機械学習モデル”COLOXIS”の有用性を検証した試験
・術後療法としてのオキサリプラチン療法の臨床効果予測を検証
・COLOXISにより、オキサリプラチン療法の有用性を予測できる可能性が示唆された
2024年02月05日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、早期大腸がんに対するオキサリプラチン療法の臨床効果を予測する機械学習モデル”COLOXIS”の有用性を検証した試験の結果がUniversity of PittsburghのLujia Chen氏らにより公表された。
本試験は、第3相のNSABP C-07/C-08試験より、早期大腸がん患者(N=1065人)に対する術後療法として5-FU+ロイコボリン(FULV)併用療法を実施した群(N=421人)、5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン(FOLFOX)を投与した群(N=644人)を対象にして、COLOXISの有用性を検証した臨床試験である。
COLOXISでは、COLOXIS+(オキサリプラチン奏効症例)とCOLOXIS-(非奏効症例)にグループ分けし、評価項目として8年無再発生存期間(RFS)を採用し、オキサリプラチンの臨床的有用性を検証している。
本試験の結果、1065人の患者のうち526人がCOLOXIS+、539人がCOLOXIS-と予測された。COLOXIS+は5-FU+ロイコボリン併用療法による治療を受けた患者の予後に関連した(HR:1.52,95%信頼区間:1.07-2.15,P=0.017)。また、COLOXIS+は5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン併用療法による治療を受けた患者の予後に関連した(HR:0.65,95%信頼区間:0.48-0.89,P=0.0065)が、COLOXIS-は5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン併用療法による治療を受けた患者の予後に関連しなかった(HR:1.08,95%信頼区間:0.77-1.52,P=0.65)。
以上の臨床試験の結果より、Lujia Chen氏らは「早期大腸がんにおいて、COLOXIS+と予測された患者に対する術後オキサリプラチン療法の有用性を予測できる可能性が示唆されました」と結論を述べた。
参照元:・術後療法としてのオキサリプラチン療法の臨床効果予測を検証
・COLOXISにより、オキサリプラチン療法の有用性を予測できる可能性が示唆された
Machine Learning Predicts Oxaliplatin Benefit in Early Colon (J Clin Oncol 2024. DOI:10.1200/JCO.23.01080)