この記事の3つのポイント
・NPM1/KMT2A遺伝子異常を有する急性骨髄性白血病が対象の第1相KOMET-007試験
・標準化学療法+メニン阻害薬であるZiftomenib併用療法の有効性・安全性
・標準化学療法+Ziftomenibは高い奏効率を示す
2024年01月30日、米Kura Oncology社のプレスリリースにて、NPM1遺伝子変異陽性/KMT2A遺伝子再構成の急性骨髄性白血病(AML)に対する標準化学療法+メニン阻害薬であるZiftomenib(ジフトメニブ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1相のKOMET-007試験(NCT04067336)の初回解析の結果が公表された。
KOMET-007試験は、NPM1遺伝子変異/KMT2A遺伝子再構成のAML患者に対して、標準化学療法(シタラビン/ドキソルビシン、ベネトクラクス/アザシチジン)+1日1回Ziftomenib 200mg併用療法を投与し、評価項目として客観的奏効率(ORR)等を検証した試験である。
今回は本試験に登録された20人の初回解析であり、5人が新規のAML、15人が再発難治性AMLであった。登録期間は2023年1月から11月で、24年1月時点のフォローアップ結果が発表された。
評価項目であるORRは、新規AMLで完全寛解(CR)率100%(N=5/5人)を示し、その遺伝子変異の内訳はNPM1遺伝子変異陽性が4人、KMT2A遺伝子再構成が1人であった。
再発難治性AMLにおける客観的奏効率(ORR)は53%(N=8/15人)で、15人の患者の40%(N=6人)が前治療でメニン阻害薬を投与していた。メニン阻害薬未治療の患者群におけるCR率/CRh(部分的血液学的回復を伴う完全寛解)率は56%(N=5/9人)で、NPM1遺伝子変異陽性群60%(N=3/5人)、KMT2A遺伝子再構成群50%(N=2/4人)が含まれていた。また、ベネトクラクス治療歴のある患者群におけるORRは40%(N=4/10人)であり、NPM1遺伝子変異陽性群60%(N=3/5人)が含まれていた。
以上のKOMET-007試験の初回解析の結果より、本試験の治験代表医師であるYale Cancer CenterのAmer Zeidan氏は、「Ziftomenibは、AMLの有望な探索的化合物の1つです。Ziftomenibの臨床試験での結果を非常に楽しみにしております」とコメントしている。
参照元:・標準化学療法+メニン阻害薬であるZiftomenib併用療法の有効性・安全性
・標準化学療法+Ziftomenibは高い奏効率を示す
KURA ONCOLOGY REPORTS POSITIVE PRELIMINARY ZIFTOMENIB COMBINATION DATA IN ACUTE MYELOID LEUKEMIA