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EGFR阻害薬+化学療法後の転移性大腸がんに対するロンサーフ+EGFR阻害薬の再投与、良好な抗腫瘍効果を示す

[公開日] 2024.02.21[最終更新日] 2024.02.21

この記事の3つのポイント ・EGFR阻害薬+化学療法治療歴のある転移性大腸がんが対象の試験 ・ロンサーフ+EGFR阻害薬の再投与、またはロンサーフ+VEGF阻害薬の有効性・安全性を比較検証 ・ロンサーフ+EGFR阻害薬の再投与群の方がより高い有効性を示す
2024年01月18~24日、米国・サンフランシスコにて開催された2024 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposiumにて、EGFR阻害薬+化学療法治療歴のある転移性大腸がんに対するロンサーフ(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)+EGFR阻害薬再投与と、ロンサーフ+VEGF阻害薬の有効性、安全性を比較検証した臨床試験の結果がNational Taiwan University Hospital Hsinchu BranchのChing Tso Chen氏らにより公表された。 本試験は、初回治療でEGFR阻害薬+化学療法を実施した転移性大腸がん患者に対して、ロンサーフ+EGFR阻害薬を再投与する群、もしくはロンサーフ+VEGF阻害薬を投与する群に振り分け、評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを検証した試験である。 本試験に登録された30人であり、ロンサーフ+EGFR阻害薬併用群が20人、ロンサーフ+VEGF阻害薬併用群が10人であった。患者背景に関しては、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった。また、ロンサーフ+EGFR阻害薬またはVEGF阻害薬治療の中央値は5レジメン(3-11レジメン)であった。 本試験の結果、ORRはロンサーフ+EGFR阻害薬群の30.0%に対してロンサーフ+抗VEGF阻害薬群で0%、病勢コントロール率(DCR)はロンサーフ+EGFR阻害薬群の70.0%に対してロンサーフ+VEGF阻害薬群で30.0%をそれぞれ示した。 PFSの中央値はロンサーフ+EGFR阻害薬群の4.0ヶ月に対してロンサーフ+VEGF阻害薬群で2.3ヶ月(P=0.389)、OSの中央値はロンサーフ+EGFR阻害薬群の12.67ヶ月に対してロンサーフ+VEGF阻害薬群で9.93ヶ月(P=0.722)をそれぞれ示した。 以上の臨床試験の結果よりChing Tso Chen氏らは、「ロンサーフ+EGFR阻害薬再投与は、ロンサーフ+VEGF阻害薬に比べてORRは高率であり、PFSとOSは両群で有意差は見られなかったが、ロンサーフ+EGFR阻害薬再投与群の方が数値的には改善傾向が見られた」と結論付けた。 参照元:
Trifluridine/tipiracil (TAS-102) in combination with anti-EGFR re-challenge versus TAS-102 plus anti-VEGF in patients with mCRC who experienced first-line anti-EGFR-based chemotherapy.(ASCO GI 2024)
ニュース 大腸がん VEGF阻害薬

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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