ミスマッチ修復機構が正常またはマイクロサテライト安定性の切除可能大腸がんに対する術前療法としてのバルスチリマブ+ボテンシリマブ併用、有望な抗腫瘍効果を示すASCO GI 2024より


  • [公開日]2024.02.14
  • [最終更新日]2024.02.09
この記事の3つのポイント
ミスマッチ修復機構が正常またはマイクロサテライト安定性の切除可能大腸がんが対象の第2相のNEST-1試験
・術前療法としての抗PD-1抗体薬バルスチリマブ+抗CTLA-4抗体薬ボテンシリマブ併用の有効性安全性を検証
・有効性・安全性ともに有望なシグナルを示す

2024年01月18~24日、米国・サンフランシスコにて開催された2024 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposiumにて、ミスマッチ修復機構が正常(pMMR)またはマイクロサテライト安定性(MSS)の切除可能大腸がんに対する術前療法としての抗PD-1抗体薬バルスチリマブ+抗CTLA-4抗体薬ボテンシリマブ併用療法の有効性、安全性を比較検証したNEST-1試験(NCT05571293)の結果がKasiWeill Cornell MedicineのPashtoon Murtaza氏らにより公表された。

NEST-1試験は、pMMRまたはMSSの切除可能大腸がんに対する術前療法として、2週を1サイクルとしてバルスチリマブ 240mg+ボテンシリマブ 75mg併用療法を実施し、評価項目として安全性、有効性を検証した単群の試験である。

本試験の結果、バルスチリマブ+ボテンシリマブ併用療法を受けた12人の患者は、治療による手術延期も、重篤な有害事象(AE)を発症させるリスクも確認されず、主要評価項目を達成した。患者毎の奏効率は、pMMRの患者群でそれぞれ90%、85%、10%、25%、100%、50%、50%、N/A、N/A、MSSの患者群でそれぞれ100%、98%、N/Aであった。

以上の結果よりPashtoon Murtaza氏らは、「pMMRまたはMSSの切除可能大腸がんに対する術前療法としての抗PD-1抗体薬バルスチリマブ+抗CTLA-4抗体薬ボテンシリマブ併用療法は、忍容性に問題なく、抗腫瘍効果も良好であり、更に2つの追加コホートにより検討が進んでいます」と結論を述べた。

参照元:
Neoadjuvant botensilimab plus balstilimab in resectable mismatch repair proficient and deficient colorectal cancer: NEST-1 clinical trial.(ASCO GI 2024)

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン