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局所進行切除可能胃がん/胃食道接合部がんに対する術前/術後療法としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ+FLOT療法、病理学的奏効率を改善

[公開日] 2024.02.01[最終更新日] 2024.02.01

この記事の3つのポイント ・局所進行切除可能胃がん/胃食道接合部がんが対象の第3相KEYNOTE-585試験 ・術前/術後療法としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ+FLOT療法の有効性・安全性を検証 ・キイトルーダ+FLOT療法においてpCR率、EFSの改善を示す
2024年01月18~24日、米国・サンフランシスコにて開催された2024 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposiumにて局所進行切除可能胃がん/胃食道接合部がんに対する術前療法としての抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法および術後療法としてのキイトルーダ単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-585試験(NCT03221426)の結果がKrankenhaus NordwestのSalah-Eddin Al-Batran氏らにより公表された。 KEYNOTE-585試験は、局所進行切除可能胃がん/胃食道接合部がん患者(N=203人)に対し、術前療法として3週1サイクルでキイトルーダ200mgを計3サイクル+2週1サイクルでドセタキセル+オキサリプラチン+ロイコボリン+5-FU(FLOT)併用療法を計4サイクル実施し、術後療法として3週1サイクルでキイトルーダ+2週1サイクルでFLOT併用療法を4サイクル実施後、3週1サイクルでキイトルーダ単剤療法を11サイクル実施する群(N=100人)、もしくは術前療法として3週1サイクルでプラセボを計3サイクル+2週1サイクルでFLOT併用療法を計4サイクル実施し、術後療法として3週1サイクルでプラセボ+2週1サイクルでFLOT併用療法を4サイクル実施し、その後3週1サイクルでプラセボ単剤療法を11サイクル実施する群(N=103人)に1対1の割合で無作為に振り分け、評価項目として盲検化された独立中央委員会(BICR)判定による病理学的完全奏効(pCR)率、無増悪生存期間(EFS)、安全性、全生存期間(OS)等を比較検証した試験である。 本試験の結果、完全切除率(R0)はキイトルーダ+FLOT併用群の79%に対してFLOT群で80%をそれぞれ示した。盲検化されたBICR判定によるpCR率はキイトルーダ+FLOT併用群の17.0%(95%信頼区間:10.2%-25.8%)に対してFLOT群で6.8%(95%信頼区間:2.8%-13.5%)を示し、両群間の差は10.2%(95%信頼区間:1.3%-19.7%)であった。 EFSの中央値はキイトルーダ+FLOT併用群の未到達(95%信頼区間:28.2ヶ月-未到達)に対してFLOT群で30.9ヶ月(95%信頼区間:22.8ヶ月-未到達)を示した(HR:0.79,95%信頼区間:0.52-1.22)。24ヶ月EFSはキイトルーダ+FLOT併用群の66%に対してFLOT群で57%を示した。OSの中央値は両群間で未到達、24ヶ月全生存率はキイトルーダ+FLOT併用群ので72%に対してFLOT群で73%を示した。 一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は、キイトルーダ+FLOT併用群の76%に対してFLOT群で63%を示した。重篤なTRAEは、キイトルーダ+FLOT併用の42%に対してFLOT群で20%を示した。TRAEによる死亡率はキイトルーダ+FLOT併用群の3%に対してFLOT群で1%を示した。 以上の結果よりSalah-Eddin Al-Batran氏らは「局所進行切除可能胃がん/胃食道接合部がんに対する術前/術後療法としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ+FLOT療法は、FLOT療法単独に比べてpCR率、EFSを改善しました」と結論付けた。 参照元:
Pembrolizumab plus FLOT vs FLOT as neoadjuvant and adjuvant therapy in locally advanced gastric and gastroesophageal junction cancer: Interim analysis of the phase 3 KEYNOTE-585 study.(ASCO GI 2024)
ニュース 胃がん 胃食道接合部がん

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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