国立がん研究センターは1月15日、同施設主導のもとアジア地域で実施された国際共同医師主導治験(PATHWAY試験)の結果をもとに、パルボシクリブ(製品名:イブランス)の添付文書が改定されたことを発表した。これにより、ホルモン受容体陽性/HER2陰性進行乳がんに対する治療選択肢が広がった。
パルボシクリブは経口のCDK4/6阻害剤として既に承認されている薬剤であるが、閉経後に使用される内分泌療法薬レトロゾールまたはフルベストラントとの併用投与のエビデンスしかなく、閉経前に使用が認められているタモキシフェンとの併用に関してはこれまで有効性・安全性が示されていなかった。
そこで国立がん研究センター中央病院は、ファイザー株式会社およびPfizerInc.との協業によりPATHWAY試験を実施。タモキシフェンとの併用による有効性・安全性を確認。これにより、パルボシクリブと併用できる内分泌療法薬にタモキシフェンが新たに加えられた。
今回の添付文書改訂は、日本のアカデミアが国を超えたアジア地域での国際共同治験を主導することで、アンメット・メディカルニーズを満たした成功例である。
国立がん研究センター中央病院はプレスリリースの中で、「この試験で培った国際共同医師主導治験のノウハウを活用し、国内外の医療現場により多くの新しい治療薬・治療法を提供できるよう取り組んでまいります」と将来展望を述べている。
参照元:
国立がん研究センター プレスリリース
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