この記事の3つのポイント
・未治療の濾胞性リンパ腫が対象の第2相試験
・レブラミド+抗CD20モノクローナル抗体リツキサン併用療法へのブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤カルケンス上乗せの有効性・安全性を検証
・奏効率、安全性ともに良好な結果を示す
2023年12月09日~2023年12月12日、米国サンディエゴで開催された第65回米国血液学会(ASH 2023)にて、未治療の濾胞性リンパ腫(FL)に対するレブラミド(一般名:レナリドミド)+抗CD20モノクローナル抗体リツキサン(一般名:リツキシマブ)併用療法へのブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤カルケンス(一般名:アカラブルチニブ)上乗せ効果を検証した第2相試験(NCT04404088)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのPaolo Strati氏らにより公表された。
本試験は、未治療のFL患者に対して、28日を1サイクルとし、レブラミドは2サイクル目から1~21日目に1日1回20mg、リツキサンは2サイクル目は週1回、3~13サイクル目は1日目に375mg/m2、カルケンスは1日2回100mgで投与し、主要評価項目としてLugano 2014 criteriaに基づく完全奏効率(CR率)を検証した試験である。
本試験に登録された24人の患者背景は、年齢中央値が62歳(40-82歳)、性別は男性が75%(N=18人)、病期はIII期が21%(N=5人)、IV期が79%(N=19人)であった。
主要評価項目であるCR率は92%、完全奏効達成までの期間中央値は3ヶ月を示した。2年無増悪生存率(PFS)は79.2%(95%信頼区間:64.5%-97.2%)、2年全生存率(OS)は91.7%(95%信頼区間:81.3%-100%%)を示した。追跡期間中央値26.8ヶ月時点で、2人の患者の死亡が確認され、1人は完全奏効にも関わらずCOVID-19への罹患、もう1人は形質転換リンパ腫が原因であった。
5%以上の患者で確認されたグレード3もしくは4の有害事象(AE)は、好中球減少症が58%、肝機能値上昇が17%、感染症が12.5%、貧血が8%、皮膚障害が8%であった。
以上の結果よりPaolo Strati氏らは「未治療の濾胞性リンパ腫患者に対するレブラミド+リツキサン併用療法へのカルケンス上乗せは、高い完全奏効率を示し、忍容性も良好でした」と述べている。
参照元:7983 Addition of Acalabrutinib to Lenalidomide and Rituximab Induces High Complete Response Rates in Patients with Previously Untreated Follicular Lymphoma: Results of a Phase II Study(ASH 2023)