この記事の3つのポイント
・高齢者や強力な治療に不適格な未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫が対象の第1/2相のGO4055試験
・CD3とCD20を標的とする二重特異性抗体モスネツズマブ+抗CD79b抗体薬物複合体ポライビー併用療法の有効性・安全性を検証
・安全性、有効性ともに良好な結果を示す
2023年12月09日~2023年12月12日、米国サンディエゴにて開催された第65回米国血液学会(ASH 2023)にて、高齢者や強力な治療に不適格な未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対するCD3とCD20を標的とする二重特異性抗体モスネツズマブ+抗CD79b抗体薬物複合体ポライビー(一般名:ポラツズマブ ベドチン)併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のGO4055試験(NCT03677154)の結果がBrown UniversityのAdam J Olszewski氏らにより公表された。
GO4055試験は、高齢者や強力な治療に不適格な未治療のDLBCLに対して、モスネツズマブ+ポライビー併用療法を投与し、主要評価項目として独立判定委員会(IRC)判定による客観的奏効率(ORR)、有害事象発症率を検証した多施設共同オープランラベルの第1/2相試験である。
本試験の結果、20%以上の患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症が32%、サイトカイン放出症候群(CRS)が30%、インフュージョンリアクションが20%であった。グレード3もしくは4の有害事象発症率43%であり、最も多くの患者で確認されたのは好中球減少症であった。重篤な有害事象(SAE)発症率41%であり、5%以上の患者で確認された重篤な有害事象(SAE)はCRSが14%、感染症が21%、肺炎が10%、COVID-19感染症が7%であった。CRSを発症した大半は1サイクル目で確認され、発症した32人の中で30人はグレードは1もしくは2であった。
フォローアップ期間中央値7.5ヶ月時点におけるORRは80%(N=72/90人)、完全奏効率(CR)は61%(N=55/90人)であった。
以上のGO4055試験の結果よりAdam J Olszewski氏らは、「高齢者や強力な治療に不適格な未治療のDLBCLに対するモスネツズマブ+ポライビー併用療法は良好な抗腫瘍効果を示し、安全性プロファイルも既存の臨床試験で確認されている内容と一致していました」と結論付けた。
参照元:855 Mosunetuzumab and Polatuzumab Vedotin Demonstrates Preliminary Efficacy in Elderly Unfit/Frail Patients with Previously Untreated Diffuse Large B-Cell Lymphoma(ASH 2023)