スイス・ロシュ社は12月8日、術前化学療法後に浸潤性疾患が残存するHER2陽性早期乳がんを対象とした第3相KATHERINE試験の追跡調査データを発表した。
KATHERINE試験は、ハーセプチンおよびタキサンを含む術前化学療法後に浸潤性病変が残存するHER2陽性早期乳がん患者1,486名を対象に、術後補助療法としてのカドサイラの有効性・安全性をハーセプチンと比較・評価する多施設非盲検ランダム化2群比較の国際共同第III相臨床試験。
同試験の結果、カドサイラ(一般名:トラスツズマブ エムタンシン)は、ハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)と比較して、副次評価項目である全生存期間の統計的有意な改善が認められた。7年時点での全生存割合は、カドサイラ群で89.07%、ハーセプチン群で84.37%であった(HR=0.66、95% Cl:0.51,0.87、p値=0.0027)。
また同時に、過去に発表されていた主要評価項目である浸潤性疾患のない場合の生存期間に関しても、今回の解析によりカドサイラ群は再発または死亡のリスクをハーセプチンと比較して46%低減することが示され、有効性の維持が認められた。
安全性に関しては、過去のカドサイラの所見と類似の結果が得られた。
なお同結果は、12月8日(金)に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウム2023で口頭発表されている。
参照元:
中外製薬株式会社 プレスリリース
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