第一三共株式会社は12月11日、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を対象としたEZH1/2阻害剤エザルミア(一般名:バレメトスタット)のグローバル第2相臨床試験(VALENTINE-PTCL01)データについて、米国血液学会で初めて発表したことをプレスリリースとして報告した。
多くの血液がんでは、ヒストンメチル化酵素であるEZH1及びEZH2が過剰に発現することで、がん抑制遺伝子の不活性化などが起きる。エザルミアはEZH1及びEZH2を選択的に阻害するため、がん抑制遺伝子などが正常に機能できるようになり、がん細胞の増殖を抑えることができると考えられている。
今回の発表では、再発または難治性のPTCL患者119名において、主要評価項目である奏効率(ORR)は43.7%を示した。また、奏効期間(DOR)の中央値は11.9ヵ月、無増悪生存期(PFS)の中央値は5.5ヵ月、全生存期間(OS)の中央値は17.0ヵ月であった。
また安全性については、グレード3以上の有害事象は57.9%にみられたが、同剤の他試験と同様の傾向であり、新たな懸念は認められなかった。
日本においては、同試験の結果に基づき、再発または難治性のPTCL治療を対象として「先駆け審査指定制度」の対品目に指定されている。2023年度下半期の承認申請に向けた準備を進めている。
参照元:
第一三共株式会社 プレスリース
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