ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は12月6日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする CAR-T細胞療法(キメラ抗原受容体遺伝子改変自家T細胞療法)「アベクマ点滴静注」(一般名:イデカブタゲン ビクルユーセル)について、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む 2 つ以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象に、再生医療等製品製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。
アベクマは、BCMAを標的とするCAR-T細胞免疫療法。アベクマが多発性骨髄腫細胞の表面にあるBCMAを認識し結合すると、CAR-T細胞が増殖することによりサイトカインを放出し、BCMAを発現しているがん細胞が融解・殺傷されると考えられている。
今回の承認は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤ダラツムマブを含む2~4レジメンの前治療歴を有する再発及び難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、アベクマの有効性および安全性を検討した国際共同第3相 KarMMa-3試験(BB2121-MM-003試験)の中間解析結果にもとづくもの。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、アベクマ群で13.3ヵ月、標準療法群で4.4ヵ月であり、アベクマ群では標準療法群と比較して統計学的に有意なPFSの延長が認められている。
同社の研究開発本部長の杉田真氏は、プレスリリースで「多発性骨髄腫は既存の治療法では治癒が困難な再発を繰り返す難治性の疾患です。再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんの治療選択肢は限られており、CAR-T細胞療法であるアベクマがこのような患者さんのアンメット・ニーズに対応する治療選択肢として、より早期治療ラインでの使用を初めて認められたことを嬉しく思います」と述べている。
なお、PFSの最終解析および中間全生存期間解析を含む第3相KarMMa-3試験の結果は、12月9日~12日にカリフォルニア州サンディエゴで開催される第 65 回米国血液学会年次総会・展示会で発表される予定だ。
参照元:
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 プレスリース
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