この記事の3つのポイント
・切除不能または転移性尿路上皮がん対象の第3相のCheckMate-901試験
・シスプラチンを含む化学療法に対するオプジーボ上乗せの有効性・安全性を検証
・オプジーボとの併用は、化学療法単独療法に比べて無増悪生存期間、および生存期間を改善
2023年11月09日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて、切除不能または転移性尿路上皮がんに対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(製品名:オプジーボ)+シスプラチンを含む化学療法の併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-901試験(NCT03036098)の結果がMichiel S. van der Heijden氏らにより公表された。
CheckMate-901試験は、シスプラチンを含む化学療法に適格な切除不能または転移性尿路上皮がん患者(N=608人)に対して3週を1サイクルとしてオプジーボ360mg+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法を最大6サイクル実施し、その後4週を1サイクルとしてオプジーボ480mg単剤療法を最大2年間実施する群(N=304人)、もしくは3週を1サイクルとしてゲムシタビン+シスプラチン併用療法を最大6サイクル実施する群(N=304人)に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、その他評価項目として客観的奏効率(ORR)、安全性を比較検証したオープンラベルの第3試験である。
シスプラチンを含む化学療法に適格な患者608名が、オプジーボ360mgと化学療法を3週間間隔で実施する群、または化学療法単独の群のいずれかに無作為に割り付けられた。
本試験のフォローアップ期間中央値33.6ヶ月時点における結果、主要評価項目であるOS中央値はオプジーボ+化学療法群の21.7ヶ月(95%信頼区間:18.6-26.4ヶ月)に対して化学療法群で18.9ヶ月(95%信頼区間:14.7-22.4ヶ月)と、オプジーボ+化学療法群で死亡のリスクを22%統計学的有意に減少した(HR:0.78,95%信頼区間:0.63-0.96,P=0.02)。
もう1つの主要評価項目であるPFS中央値は、オプジーボ+化学療法群の7.9ヶ月に対して化学療法群で7.6ヶ月と、オプジーボ+化学療法群で病勢進行または死亡のリスクを28%統計学的有意に減少した(HR:0.72,95%信頼区間:0.59-0.88,P=0.001)。12ヶ月PFSはオプジーボ+化学療法群の34.2%に対して化学療法群で21.8%を示した。
その他評価項目であるORRはオプジーボ+化学療法群の57.6%(完全奏効率21.7%)に対して化学療法群で43.1%(完全奏効率11.8%)を示した。奏効持続期間(DOR)中央値はオプジーボ+化学療法群の37.1ヶ月に対して化学療法群で13.2ヶ月を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はオプジーボ+化学療法群で61.8%に対して化学療法群で51.7%を示した。
以上のCheckMate-901試験の結果よりMichiel S. van der Heijden氏らは「シスプラチンを含む化学療法に適格な切除不能または転移性尿路上皮がんに対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+化学療法は、化学療法に比べてPFS、OSをを改善しました」と述べている。
<a href="https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2309863?query=featured_home?query=featured_home?query=featured_home
"rel="noopener"target="_blank"ANivolumab plus Gemcitabine–Cisplatin in Advanced Urothelial Carcinoma(N Engl J Med 2023; 389:1778-1789
DOI: 10.1056/NEJMoa2309863)
あなたは医師ですか。