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切除可能非小細胞肺がんに対する周術期療法としてのイミフィンジ、無イベント生存期間と病理学的寛解率を有意に改善

[公開日] 2023.11.20[最終更新日] 2023.11.20

この記事の3つのポイント ・切除可能非小細胞肺がんを対象とした第3相のAEGEAN試験 ・術前化学療法+イミフィンジおよび術後イミフィンジ単剤療法の有効性・安全性を検証 ・パクリタキセル単剤に比べ、Ofranergene Obadenovec上乗せによる有効性は認められず
2023年11月02日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)に対する周術期療法としての抗PD-L1抗体薬であるデュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+プラチナ系ベースの化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のAEGEAN試験(NCT03800134)の結果がMD Anderson Cancer CenterのJohn V. Heymach氏らにより公表された。 AEGEAN試験は、切除可能NSCLC患者(N=802人)に対して、術前療法として3週1サイクルでイミフィンジ+プラチナ系ベースの化学療法を4サイクル実施し、術後療法として4週1サイクルでイミフィンジ単剤療法を12サイクル実施する群(N=400人)、もしくは術前療法として3週1サイクルでプラセボ+プラチナ系ベースの化学療法を4サイクル実施し、術後療法として4週1サイクルでプラセボ単剤療法を12サイクル実施する群(N=402人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無イベント生存期間(EFS)、病理学的寛解率(pCR)を比較検証したランダム化二重盲検プラセボ対照多施設共同の第3相試験である。 本試験の初回解析の結果、主要評価項目であるEFSは、プラセボ群に比べてイミフィンジ群で統計学的有意に改善し、病勢進行、手術中止、再発等のリスクを32%(HR:0.68,95%信頼区間:0.53-0.88,P=0.004)減少した。12ヶ月EFSはイミフィンジ群の73.4%(95%信頼区間:67.9%-78.1%)に対してプラセボ群で64.5%(95%信頼区間:58.8%-69.6%)を示した。 pCRはイミフィンジ群の17.2%に対してプラセボ群で4.3%を示し、イミフィンジ群で13.0%(95%信頼区間:8.7%-17.6%,P<0.001)統計学的有意に高率であった。なお、プラセボ群に比べたイミフィンジ群のEFS、pCRの臨床ベネフィットは、PD-L1発現率に関係なく確認された。 一方の安全性として、グレード3もしくは4の有害事象(AE)発症率はイミフィンジ群の42.4%に対してプラセボ群で43.2%を示した。 以上のAEGEAN試験の結果より、John V. Heymach氏らは「切除可能NSCLC患者に対する術前化学療法+イミフィンジおよび術後イミフィンジ単剤療法は、EFS、pCRを統計学的有意に改善し、安全性プロファイルはこれまでの個々の薬剤の報告と同等でした」と結論付けている。 参照元:
Perioperative Durvalumab for Resectable Non–Small-Cell Lung Cancer
ニュース 肺がん 術前療法

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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