この記事の3つのポイント
・プラチナ製剤抵抗性のある卵巣がんを対象とした第3相のOVAL Study/GOG 3018試験
・遺伝子治療薬Ofranergene Obadenovec(VB-111)+パクリタキセル併用療法の有効性・安全性を検証
・パクリタキセル単剤に比べ、Ofranergene Obadenovec上乗せによる有効性は認められず
2023年10月31日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、プラチナ製剤抵抗性のある卵巣がんに対する遺伝子治療薬Ofranergene Obadenovec(VB-111)+パクリタキセル併用療法の有効性、安全性を検証した第3相のOVAL Study/GOG 3018試験(NCT03398655)の結果がUniversity of Alabama at Birmingham School of MedicineのRebecca C. Arend氏らにより公表された。
OVAL Study/GOG 3018試験は、プラチナ製剤抵抗性のある卵巣がん患者(N=409人)に対して、8週毎にOfranergene Obadenovec(VB-111)+週1回パクリタキセル併用療法を病勢進行するまで実施する群、もしくはプラセボ+週1回パクリタキセル療法を病勢進行するまで実施する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を比較検証したプラセボ対照二重盲検下の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるOSの中央値はOfranergene Obadenovec+パクリタキセル併用群の13.37ヶ月に対してプラセボ+パクリタキセル群で13.14ヶ月と、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった(HR:0.97,95%信頼区間:0.75-1.27,P=0.8440)。
もう1つの主要評価項目であるPFSの中央値はOfranergene Obadenovec+パクリタキセル併用群の5.29ヶ月に対してプラセボ+パクリタキセル群で5.36ヶ月と、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった(HR:1.03,95%信頼区間:0.83-1.29,P=0.7823)。
ORRはOfranergene Obadenovec+パクリタキセル併用群の28.9%に対してプラセボ+パクリタキセル群で29.6%を示した。
以上のOVAL Study/GOG 3018試験の結果よりRebecca C. Arend氏らは「プラチナ製剤抵抗性のある卵巣がんに対するパクリタキセルへの遺伝子治療薬Ofranergene Obadenovecの上乗せは、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を改善しませんでした」と結論付けた。
参照元:Ofranergene Obadenovec (Ofra-Vec, VB-111) With Weekly Paclitaxel for Platinum-Resistant Ovarian Cancer: Randomized Controlled Phase III Trial (OVAL Study/GOG 3018)