この記事の3つのポイント
・進行・再発子宮内膜がんを対象とした第3相のRUBY/ENGOT-EN6/GOG3031/NSGO試験
・抗PD-1抗体ドスタルリマブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法の有効性・安全性を検証
・カルボプラチン+パクリタキセル併用療法群に比べ、全生存期間を有意に改善
GSK社は2023年10月23日、進行・再発子宮内膜がんに対する抗PD-1抗体薬であるドスタルリマブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のRUBY/ENGOT-EN6/GOG3031/NSGO試験のPart1の結果が公表された。
RUBY/ENGOT-EN6/GOG3031/NSGO試験は、進行・再発子宮内膜がんに対してPart1ではドスタルリマブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法後にドスタルリマブ単剤を投与する群、もしくはカルボプラチン+パクリタキセル併用療法後にプラセボ単剤を投与する群に分け、主要評価項目としてPart1段階では主治医評価の無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を、Part2段階では主治医評価の無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)等を比較検証した多施設共同ランダム二重盲検下の第3相試験である。
本試験のPart1段階の結果、主要評価項目であるOSはカルボプラチン+パクリタキセル併用療法後のプラセボ単剤療法を投与する群に比べてドスタルリマブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法と続くドスタルリマブ単剤療法を投与する群で統計学的有意に改善を示し、主要評価項目を達成した。
また、OS改善効果はミスマッチ修復欠損(dMMR)/マイクロサテライト不安定性高値(MSI-H)の患者、ミスマッチ修復能(MMRp)/マイクロサテライト安定(MSS)の患者でも確認された。
もう1つの主要評価項目であるPFSは、前回の解析時点で主要評価項目基準の達成が確認されているが、dMMR/MSI-Hの患者群では病勢進行または死亡のリスクを72%(HR:0.28,95%信頼区間:0.16-0.50)、MMRp/MSSの患者群では36%(HR:0.64,95%信頼区間:0.51–0.80)改善することが示された。
一方の安全性として、ドスタルリマブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法後のドスタルリマブ単剤療法を投与する群で確認された有害事象(AE)は、既存の臨床試験で確認される安全性プロファイルと一致していた。本試験の25%以上の患者で認された治療関連有害事象(TRAE)は吐き気、脱毛症、疲労、末梢神経障害、貧血、関節痛、便秘、下痢、筋肉痛であった。
参照元:GSK社 プレスリリース