ハイリスク局所進行性子宮頸がんに対するキイトルーダ+同時化学放射線療法、無増悪生存期間を改善ESMO2023より


  • [公開日]2023.10.30
  • [最終更新日]2023.10.26
この記事の3つのポイント
・ハイリスクのある局所進行性子宮頸がんを対象とした第3相のKEYNOTE-A18試験
・抗PD-1抗体であるペムブロリズマブ+同時化学放射線療法の有効性安全性を検証
・ペムブロリズマブ+同時化学放射線療法により無増悪生存期間が有意に改善

2023年10月20~24日、スペイン・マドリードで開催されたESMO(欧州臨床腫瘍学会)にて、ハイリスク(リンパ節転移陽性のIB2-IIB期、リンパ節転移の有無を問わないIII-IV期)のある局所進行性子宮頸がんに対する抗PD-1抗体薬ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+同時化学放射線療法(concurrent chemoradiotherapy;CCRT)の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-A18(ENGOT-cx11/GOG-3047;NCT04221945)試験の結果がCatholic University of RomeのDomenica Lorusso氏らにより公表された。

KEYNOTE-A18試験は、高リスクの局所進行性子宮頸がんに対してペムブロリズマブ+同時化学放射線療法を実施する群、もしくはプラセボ+同時化学放射線療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間OS)、副次評価項目として完全奏効率(CR)、客観的奏効率(ORR)、安全性を検証した無作為化二重盲検の第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目であるPFSは両群ともに未到達であったが、24カ月PFS率はペムブロリズマブ併用群の67.8%(95%信頼区間:61.8-73.0)、プラセボ群で57.3%(95%信頼区間:51.2-62.9)で、ハザード比は0.70(95%信頼区間:0.55-0.89)、p=0.0020であった。

もう1つの主要評価項目であるOSは、データ解析時点ではデータが未成熟であったが、プラセボ+同時化学放射線療法群に比べてはペムブロリズマブ+同時化学放射線療法(CCRT)群で改善傾向が示された(HR:0.73,95%信頼区間:0.49-1.07)。

一方の安全性として、本試験で新たに確認されたペムブロリズマブ+同時化学放射線療法の有害事象(AE)はなく、既存の安全性プロファイルと一致していた。

以上のKEYNOTE-A18試験の結果よりDomenica Lorusso氏らは、「ハイリスクのある局所進行性子宮頸がんに対する抗PD-1抗体薬ペムブロリズマブ+同時化学放射線療法は、本疾患における新たな標準治療となり得ることを示唆している」と結論付けている。

参照元:
Lorusso D, et al. Pembrolizumab plus chemoradiotherapy for high-risk locally advanced cervical cancer: A randomized double-blind, phase 3 ENGOT-cx11/GOG-3047/KEYNOTE-A18 study. ESMO Congress 2023, LBA38

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