この記事の3つのポイント
・抗PD-1/PD-L1抗体薬後に病勢進行した粘膜部黒色腫を対象とした第2相のC-144-01試験
・腫瘍浸潤リンパ球輸注療法(TIL療法)の有効性、安全性を検証
・臨床的に意義のある持続的有効性を示す
2023年10月20~24日、スペイン・マドリードで開催されているESMO(欧州臨床腫瘍学会)にて、抗PD-1/PD-L1抗体薬後に病勢進行した進行性粘膜部黒色腫(mucosal melanoma)に対する腫瘍浸潤リンパ球輸注療法(TIL療法)の有効性、安全性を検証した第2相のC-144-01試験の結果が公表された。
C-144-01試験は、抗PD-1/PD-L1抗体薬後に病勢進行した進行性粘膜部黒色腫に対して、TIL療法を実施し、その後インターロイキン2を投与し、評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)等を検証した第2相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値35.7ヶ月時点における結果、がん治療が困難であった12人の患者におけるORRは50.0%(95%信頼区間:21.1%-78.9%)を示した。DOR中央値は未到達であり、奏効を示した6人中の4人の患者で引き続き持続的な奏効状態を保持している。
一方の安全性として、有害事象(AE)は既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、最も多くの患者で確認されたグレード3~4の非血液関連有害事象(TRAE)は好中球減少症が58.3%、高血圧が33.3%であった。
参照元:Grigoleit G-U, et al. Lifileucel tumor-infiltrating lymphocyte (TIL) cell therapy in patients (pts) with advanced mucosal melanoma after progression on immune checkpoint inhibitors (ICI): Results from the phase 2 C-144-01 study. ESMO Congress 2023, Abstract 1086MO