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【治験開始】BRAF融合遺伝子陽性の低悪性度神経膠腫または膵がんを対象としたビニメチニブの第2相医師主導治験

[公開日] 2023.10.16[最終更新日] 2023.10.16

国立がん研究センター中央病院は10月10日、進行・再発のBRAF融合遺伝子陽性の低悪性度神経膠腫または膵がんを対象に、MEK阻害薬ビニメチニブ(製品名:メクトビ)単独療法の多施設共同第2相医師主導治験(NCCH2101/MK011、試験略称:Perfume)を開始したことを発表した。 BRAF融合遺伝子陽性例は、既に薬剤開発が進んでいるBRAF V600遺伝子変異陽性例と比較すると頻度が低い希少なサブタイプであることから、製薬企業による治療開発が進み難い現状があった。 今回実施される試験では、MASTER KEYプロジェクトの枠組みと使った医師主導試験の一環として実施され、BRAF融合遺伝子陽性の低悪性度神経膠腫(グリオーマ)または膵がんにおけるビニメチニブの有効性を検証。良好な結果が得られた場合は国内での薬事承認を目指す。 BRAF融合遺伝子陽性の固形がんでは、C末端側のBRAFキナーゼドメインが保持されている一方で、N末端側の自己阻害ドメインが失われ、BRAFキナーゼドメインが恒常的に活性化されている。活性化されたBRAFキナーゼドメインが二量体を形成することでMAPK経路の活性化を起こし、腫瘍の増殖を引き起こす。 このような二量体を形成するタイプでは、BRAF阻害薬による治療は不適切とされているため、BRAFの下流に位置するMEKを阻害することで、BRAF融合遺伝子陽性のがんの進行を抑制することが期待されている。 なお同試験の参加施設は、国立がん研究センター中央病院に加え、北海道大学病院、東北大学病院、国立がん研究センター東病院、京都大学医学部附属病院、九州大学病院の全国6施設が予定されている。 参照元:
国立がん研究センター プレスリリース
ニュース 膵臓がん BRAF融合遺伝子

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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