この記事の3つのポイント
・治療歴のあるEGFR遺伝子変異陽性進行非小細胞肺がんを対象とした第1/2相CHRYSALIS-2試験
・EGFRとMETに対する二重特異性抗体のアミバンタマブ+第3世代EGFR-TKIのラゼルチニブ+プラチナ系抗がん剤併用療法の有効性・安全性を検証
・併用療法により持続的な無増悪生存期間を示す
2023年09月11日、ベルギー・ヤンセンファーマ社のプレスリリースにて、治療歴のあるEGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんに対するEGFRとMETに対する二重特異性抗体のアミバンタマブ+第3世代EGFR-TKIのラゼルチニブ+プラチナ系抗がん剤併用療法の有効性、安全性を検証したCHRYSALIS-2試験(NCT04077463)の結果が公表された。
CHRYSALIS-2試験は、EGFR-TKIによる治療歴のあるEGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんに対してアミバンタマブ+ラゼルチニブ+プラチナ系抗がん剤を投与し、評価項目として有害事象(AE)、客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)等を検証したオープンラベルの第1/2相試験である。
本試験の結果、ORRは50%(N=11/20人)、またフォローアップ期間中央値13.1ヶ月時点におけるDORの中央値は未到達、奏効が確認された10人の内8人は少なくとも6ヶ月の奏効持続が認められた。PFSの中央値は14ヶ月を示した。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたAEは好中球減少症が9%、皮膚障害が75%、インフュージョンリアクションが65%であった。
以上のCHRYSALIS-2試験の結果より、ヤンセンファーマ社のKiran Patel氏は、「標準治療後に病勢進行したEGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんに対してアミバンタマブ+ラゼルチニブ+プラチナ系抗がん剤併用療法は良好な抗腫瘍効果を示しました」と述べている。
なお、本データは2023年9月9日10~12日にシンガポールで開催された世界肺癌学会(The IASLC 2023 World Conference on Lung Cancer: WCLC2023)の年次総会でも発表されている。
参照元:ヤンセンファーマ社 プレスリリース