この記事の3つのポイント
・複数治療歴のある進行性小細胞肺がんを対象とした第1/2相試験
・抗B7-H3抗体薬物複合体DS-7300の有効性・安全性を検証
・有効性・安全性ともに今後の開発につながる有望な結果を示す
第一三共株式会社は、2023年9月9日10~12日にシンガポールで開催された世界肺癌学会(The IASLC 2023 World Conference on Lung Cancer: WCLC2023)の年次総会において、複数治療歴のある進行性小細胞肺がんに対する抗B7-H3抗体薬物複合であるDS-7300の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT04145622)の結果が公表されたを発表した。
同試験は、複数治療のある進行性固形がんに対してDS-7300療法を投与し、主要評価項目として用量制限毒性(DLT)、安全性(AE)、抗腫瘍効果などを検証した試験である。
小細胞肺がんサブグループ解析の結果、対象症例21人における客観的奏効率(ORR)は52.4%を示し、その奏効内訳は完全奏効1人、部分奏効10人であった。
また、奏効持続期間(DOR)中央値は5.9ヶ月、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.6ヶ月、全生存期間(OS)中央値は12.2ヶ月を示した。
一方の安全性は、既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。グレード3以上の有害事象(AE)発症率は36.4%、薬剤関連性のある間質性肺疾患(ILD)はグレード2が1人確認された。
今回の結果を受けて第一三共は、プレスリリースにて「当社は、本試験結果に基づき、現在進行中の進展型小細胞肺がん患者さんを対象とした第2相臨床試験を含め、本剤の開発を加速させてまいります」と述べている。
参照元:第一三共株式会社 プレスリリース