進行・再発子宮内膜がんに対するXPO1阻害薬セリネクソル単剤維持療法、p53遺伝子野生型に対して有効かJournal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2023.09.15
  • [最終更新日]2023.09.15
この記事の3つのポイント
・進行・再発子宮内膜がんを対象とした第3相ENGOT-EN5/GOG-3055/SIENDO試験
維持療法としてのXPO1阻害薬セリネクソル単剤療法有効性安全性を検証
・p53遺伝子野生型症例では無増悪生存期間が有意に改善

2023年09月05日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて進行・再発子宮内膜がんに対する維持療法としてのXPO1阻害薬セリネクソル(Selinexor)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のENGOT-EN5/GOG-3055/SIENDO試験(NCT03555422)の結果がUniversity Hospitals LeuvenのIgnace Vergote氏らにより公表された。

ENGOT-EN5/GOG-3055/SIENDO試験は、進行・再発子宮内膜がん(N=263人)に対する維持療法として、1週に1回セリネクソル80mg単剤を投与する群(N=174人)、もしくはプラセボを投与する群(N=89人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として安全性などを比較検証したランダム化多施設共同二重盲検下プラセボ対照の第3相試験である。

本試験の結果、全患者群におけるPFSの中央値は、セリネクソル単剤群の5.7ヶ月(95%信頼区間:3.81-9.20ヶ月)に対してプラセボ群で3.8ヶ月(95%信頼区間:3.68-7.39ヶ月)と、セリネクソル単剤群で病勢進行または死亡リスクの24%の減少(HR:0.76,95%信頼区間:0.54-1.08,P=0.126)が認められたが、主要評価項目の基準には満たなかった。
事前に規定されていたサブグループ解析では、TP53遺伝子野生型群におけるPFSの中央値は、セリネクソル単剤群の13.7ヶ月に対してプラセボ群で3.7ヶ月を示し、有意なPFSの改善が認められた。

一方の安全性として、グレード3の治療関連有害事象(TRAE)は嘔吐が9%、好中球減少症が9%、血小板減少症が7%を示した。

以上のENGOT-EN5/GOG-3055/SIENDO試験の結果よりIgnace Vergote氏らは「進・再発子宮内膜がんに対する維持療法としてのXPO1阻害薬セリネクソル(Selinexor)単剤療法は、無増悪生存期間を統計学的有意に改善させることはありませんでしたが、TP53遺伝子野生型に対しては臨床的有用な効果を示しました」と結論付けた。

参照元:
First-line regorafenib with nivolumab and chemotherapy in advanced oesophageal, gastric, or gastro-oesophageal junction cancer in the USA(The Lancet Oncology 2023. DOI:https://doi.org/10.)

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