70歳以上の治療歴のないRAS/BRAF遺伝子野生型切除不能大腸がん、mFOLFOXもしくは5-FU+LV療法へのパニツムマブ併用が効果を示す Journal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2023.09.04
  • [最終更新日]2023.09.05
この記事の3つのポイント
・70歳以上の前治療歴のない切除不能なRAS/BRAF野生型転移性結腸直腸がんを対象とした第2相PANDA試験
・mFOLFOX+パニツムマブもしくは5-FU+LV+パニツムマブの有効性安全性を検証
・mFOLFOX+パニツムマブ、5-FU+LV+パニツムマブが治療選択肢のひとつとなる可能性

2023年8月3日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、70歳以上の治療歴のないRAS/BRAF遺伝子野生型切除不能大腸がんに対するmFOLFOX(フルオロウラシル+ロイコボリンオキサリプラチン)+パニツムマブ(製品名:ベクティビックス)併用療法、5-FU(フルオロウラシル)+LV(ロイコボリン)+パニツムマブ併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のPANDA試験(NCT02904031)の結果がVeneto Institute of Oncology IOV—IRCCSのSara Lonardi氏らにより公表された。

PANDA試験は、70歳以上の治療歴のないRAS/BRAF遺伝子野生型切除不能大腸がん患者に対して、mFOLFOX+パニツムマブ併用療法を実施する群(N-91人)、5-FU+LV+パニツムマブ併用療法を実施する群(N-92人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間PFS;達成目標基準値9.65ヶ月以上)を検証したオープンラベルランダム化の第2相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値50.0ヶ月時点において、主要評価項目であるPFSの中央値はmFOLFOX+パニツムマブ併用群の9.6ヶ月に対して5-FU+LV+パニツムマブ併用群で9.0ヶ月を示した。全奏効率はmFOLFOX+パニツムマブ併用群の69%に対して5-FU+LV+パニツムマブ併用群で52%を示した。

またグレード2以上の化学療法関連有害事象の全発生率はそれぞれ60%と37%であった。

以上のPANDA試験の結果よりSara Lonardi氏らは「70歳以上の治療歴のないRAS/BRAF遺伝子野生型切除不能大腸がん患者に対し、mFOLFOXもしくは5-FU+LVと抗EGFR抗体薬であるであるパニツムマブとの併用療法は、有用な治療選択肢である。5-FU+LV+パニツムマブはより良好な安全性プロファイルと関連する」と結論付けた。

Initial Panitumumab Plus Fluorouracil, Leucovorin, and Oxaliplatin or Plus Fluorouracil and Leucovorin in Elderly Patients With RAS and BRAF Wild-Type Metastatic Colorectal Cancer: The PANDA Trial by GONO Foundation (Journal of Clinical Oncology 2023 DOI: 10.1200/JCO.23.00506)

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