武田薬品工業株式会社は8月22日、転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対するキナーゼ阻害剤カボザンチニブ(製品名:カボメティクス)+抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)の併用療法が、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことを発表した。
今回の結果は、国際共同臨床第3相試験(CONTACT-02試験)の結果に基づくものである。CONTACT-02試験は、1種類の新規ホルモン療法による1回の前治療歴がある転移性去勢抵抗性前立腺がんを対象として、カボザンチニブ+アテゾリズマブの有効性・安全性を標準治療である2剤目の新規ホルモン療法と比較した試験であり、主要評価項目をPFSと全生存期間(OS)の2つを設定している。
OSに関しては、今回の中間解析では改善傾向が見られるもデータが十分に確認されなかったため、次のOS解析まで同試験は継続されるとのこと。
安全性に関しては、カボザンチニブとアテゾリズマブそれぞれ単剤での既知の安全性プロファイルと一致しており、併用による新たな安全性への懸念は特定されていない。
カボザンチニブについて
カボザンチニブは血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR2)、肝細胞増殖因子受容体(MET)、AXL等の複数の受容体チロシンキナーゼを阻害する分子標的薬。
日本では、カボメティクス錠20mg、同60mgの製品名で、根治切除不能又は転移性の腎細胞がんに対する治療薬として、2020年3月に厚生労働省より製造販売承認を取得している。
また、2020年11月にがん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞がんに対する治療薬として製造販売承認事項一部変更承認を、2021年8月には根治切除不能又は転移性の腎細胞がんを対象としたニボルマブとの併用療法に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得している。
参照元:
武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
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