米Bristol Myers Squibb社は8月16日、ROS1融合遺伝子陽性局所進行または転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対して、ROS1/TRK阻害薬であるrepotrectinib(レポトレクチニブ)が、高い奏効率と頭蓋内への奏効を含む持続的な効果を示すことが分かったと発表した。
今回の発表は、TKI未治療または1種類のTKI治療歴ありかつ化学療法未治療のROS1融合遺伝子陽性進行NSCLCを対象とした、repotrectinibの有効性と安全性を評価するフェーズ1/2試験であるTRIDENT-1試験のアップデートの結果に基づくものである。
TKI未治療患者71人(観察期間中央値24.0カ月)において、盲検下独立中央判定による奏効率は79%、奏効期間(DOR)の中央値は34.1カ月、無増悪生存期間(PFS)の中央値は35.7カ月だった。また治療前に測定可能な頭蓋内病変を有していた9人における頭蓋内奏効率は89%だった。
一方、1種類のTKI治療歴ありかつ化学療法未治療の患者56人(観察期間中央値21.5カ月)において、盲検下独立中央判定による奏効率は38%、DORの中央値は14.8カ月、PFSの中央値は9.0カ月であった。治療前に測定可能な頭蓋内病変を有していた13人における頭蓋内奏効率は38%であった。
repotrectinibは、米国食品医薬品局(FDA)から希少疾病用医薬品の指定を受けており、画期的治療薬(Breakthrough Therapy Designations)に認定された3つのうちのひとつが同試験の結果に基づくものである。
TRIDENT-1試験のアップデートの結果は、来月9月にシンガポールで開催される世界肺癌学会(WCLC 2023)で発表予定である。
参照元:
米Bristol Myers Squibb社 ニュースリース
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