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遺伝子変異量の高い進行性がん、抗PD-1抗体薬キイトルーダが有効か

[公開日] 2023.08.21[最終更新日] 2023.08.21

この記事の3つのポイント ・腫瘍遺伝子変異量(HTMB)の高い進行性がんを対象とした第2相TAPUR試験 ・抗PD-1抗体薬ペムブロリズマブの治療を受けた症例を対象としたコホートの結果報告 ・ペムブロリズマブの抗腫瘍効果が認めれれた
2023年8月10日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて腫瘍遺伝子変異量(HTMB)の高い進行性がん(リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、固形がん)に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のTAPUR試験(NCT02693535)の結果がPart of City of HopeのHerbert L. Duvivier氏らにより公表された。 TAPUR試験は、HTMBの高い進行性がんに対して承認された標的薬剤の抗腫瘍活性を評価する実用的なバスケット試験であり、今回は、キイトルーダ単剤療法を投与した症例のコホートの結果が報告された。 主要評価項目として病勢コントロール率(DCR;完全奏効率、部分奏効率、治療開始時点より最低16週時点の病勢安定として定義)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などが検証された。 本試験の結果、大腸がん(CRC)コーホートにおける主要評価項目であるDCRは31%を示した。また、発生率の低い組織型別コホートをまとめた組織型プール(HP)コホートでは、DCRは45%を示した。一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症は77人のうち12人で確認された。 以上のTAPUR試験の結果よりHerbert L. Duvivier氏らは「腫瘍遺伝子変異量(HTMB)の高い進行性癌患者さんに対する抗PD-1抗体薬キイトルーダは良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。 Pembrolizumab in Patients With Tumors With High Tumor Mutational Burden: Results From the Targeted Agent and Profiling Utilization Registry Study (J Clin Oncol. 2023 Aug 10;JCO2300702. DOI: 10.1200/JCO.23.00702)
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山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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