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抗CD25抗体-色素複合体「RM-1995」を用いたアルミノックス治療、肝転移を有する進行または再発固形がんに対する第Ⅰ相試験を国内で開始

[公開日] 2023.08.03[最終更新日] 2023.08.03

楽天メディカル株式会社は8月3日、同社が創薬した抗CD25抗体-色素複合体である「RM-1995」と、波長690nmのレーザ光照射のための機器を用いたアルミノックス治療(光免疫療法)について、「肝転移を有する進行または再発固形がん」に対する第1相臨床試験(RM-1995-102/jRCT番号:2031220721)を国内で開始したことを発表した。 同試験は、レーザ光照射が可能な肝転移病変を1つ以上有し、適用となる標準治療がない進行または再発固形がん患者を対象とした第1相試験。アルミノックス治療の単独療法(第1a相および第1b相)、およびペムブロリズマブとの併用療法(第1c相)における安全性および忍容性を評価する。 肝転移をきたす原発巣には、消化器がん(大腸がん・胃がん・膵臓がんなど)、乳がん、肺がんなどがあり、予後不良であるといわれていることから有効な治療法が求められている。そのため、楽天メディカルは安全性および忍容性の評価のための同試験を迅速に進め、肝転移を有する患者に新たな治療選択肢を一日でも早く提供できることを目指しているという。 楽天メディカルの代表取締役会長である三木谷浩史氏は、「当社が創薬した2つ目の新規化合物『RM-1995』を用いたアルミノックス治療の試験を日本で開始できたことについて大変嬉しく思います。肝転移はさまざまながん腫でよくみられ既存の治療法も限定的であることから、新たな治療を待っている患者さんにとっての『光』となると信じております」と述べている。 なお同試験の開発については2021年11月、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による令和3年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」(第6回)の「スタートアップ型(ViCLE)」に採択され、AMEDの支援によって実施されている。 RM-1995について M-1995とは、インターロイキン2(IL-2)受容体α鎖(CD25)に特異的に結合するモノクローナル抗体と、光感受性物質であるIRDye® 700DX(IR700)との抗体-色素複合体である。免疫反応の抑制に関与している制御性T細胞(Treg)の表面のCD25に結合し、波長690nmのレーザ光を照射することでTregを特異的に排除できると考えられている。腫瘍内のTregを減少させることで局所的な免疫抑制が解除され、免疫細胞による抗腫活性を回復させることが、既に前臨床試験で示されている。 参照元:
楽天メディカル株式会社 プレスリース
ニュース 固形がん 肝転移

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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