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高リスクの局所進行子宮頸がんに対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ+同時化学放射線療法、無増悪生存期間を有意に改善

[公開日] 2023.07.25[最終更新日] 2023.07.25

この記事の3つのポイント ・高リスクの局所進行子宮頸がんを対象とした第3相KEYNOTE-A18試験 ・ペムブロリズマブと同時化学放射線療法の有効性、安全性を検証 ・同時化学放射線療法単独と比較して、ペムブロリズマブ併用療法がPFSを有意に改善
2023年7月19日、米メルク・アンド・カンパニー社のプレスリリースにて、高リスクの局所進行性子宮頸がんに対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)+同時化学放射線療法(シスプラチン、放射線療法)の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-A18/ENGOT-cx11/GOG-3047試験(NCT04221945)の結果が公表された。 KEYNOTE-A18/ENGOT-cx11/GOG-3047試験は、高リスクの局所進行性子宮頸がんに対してペムブロリズマブ+同時化学放射線療法を実施する群、もしくはプラセボ+同時化学放射線療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、副次評価項目として完全奏効率(CR)、客観的奏効率(ORR)、安全性を検証した第3相試験である。 子宮頸がんは主に35歳から44歳の女性患者で発症が確認され、女性が発症するがんの中では4番目に多いがんである。米国では約14,000人の患者が新規に発症し、4,000人程度の患者が死亡している。子宮頸がんの発症原因の大半はHPV(ヒトパピローマウイルス)に関連しており、子宮頸がんを発症した10人のうち9人の原因がHPVであると言われている。HPVは年齢とともに消失するが、稀にHPVが消失しない女性は後齢で子宮頸がんを発症する。以上の背景より、高リスクの局所進行性子宮頸がんに対する免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブの有用性を検証する目的で本試験が開始された。 本試験の独立データモニタリング委員会により事前に規定された中間解析の結果、主要評価項目であるPFSはプラセボ+同時化学放射線療法に比べてペムブロリズマブ+同時化学放射線療法で統計学有意に改善することが示された。一方、もう1つの主要評価項目であるOSは中間解析時点ではデータが未成熟であった。 安全性は既存の臨床試験で確認されているペムブロリズマブの安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。 以上のKEYNOTE-A18/ENGOT-cx11/GOG-3047試験の中間解析結果より、メルク・アンド・カンパニー社のGursel Aktan氏は「再発/転移性子宮頸がんに対するペムブロリズマブの有用性は既に確立されておりましたが、本試験によりより早期の局所進行子宮頸がんに対してもペムブロリズマブが有効であることが示されました」とコメントしている。 Merck Announces Phase 3 KEYNOTE-A18 Trial Met Primary Endpoint of Progression-Free Survival (PFS) in Patients With Newly Diagnosed High-Risk Locally Advanced Cervical Cancer
ニュース 子宮頸がん 同時化学放射線療法

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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