この記事の3つのポイント
・未治療の進行性腎細胞がんを対象とした第3相KEYNOTE-426試験
・キイトルーダ+インライタ併用療法の5年追跡調査の結果
・キイトルーダ+インライタは、5年追跡後も有効性が持続していた
2023年6月2日~6日、米国シカゴにて開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2023)にて、未治療の進行性腎細胞がんに対する初回治療としての抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)+チロシンキナーゼ阻害薬であるアキシニチニブ(商品名:インライタ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-426試験(NCT02853331)の5年長期追跡調査後の結果が、Vanderbilt-Ingram Cancer CenterのBrian I. Rini氏らにより公表された。
KEYNOTE-426試験とは、未治療の進行性腎細胞がん患者(N=861人)に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg+1日2回インライタ5mg併用療法を実施する群(N=432人)、または6週を1サイクルとして1日1回スニチニブ(商品名:スーテント)50mg単剤療法を4週間実施する群(N=429人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較検証したランダム化オープンラベルの第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値67.2ヶ月(60.0-75.0ヶ月)時点における結果、5年OSはキイトルーダ+インライタ併用群の41.9%に対してスーテント単剤群で37.1%を示した。また、5年PFSはキイトルーダ+インライタ併用群の18.3%に対してスーテント単剤群で7.3%を示した。奏効持続期間(DOR)中央値はキイトルーダ+インライタ併用群の23.6ヶ月に対してスーテント単剤群で15.3ヶ月を示した。
一方の安全性として、治療中止率はキイトルーダ+インライタ併用群の62.2%(N=237/381人)に対してスーテント単剤群で73.9%(N=300/406人)を示し、新たな安全性シグナルは認められなかった。
以上のKEYNOTE-426試験の5年長期フォローアップ解析の結果よりBrian I. Rini氏らは、「未治療の進行性腎細胞がん患者に対する初回治療としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ+チロシンキナーゼ阻害薬インライタ併用療法は、スーテント単剤療法に比べて5年OS、5年PFSを改善し、標準治療としての使用を引き続き支持するものである」と結論を述べている。
PPembrolizumab plus axitinib versus sunitinib as first-line therapy for advanced clear cell renal cell carcinoma: 5-year analysis of KEYNOTE-426(ASCO 2023 Abst#LBA4501)あなたは医師ですか。