この記事の3つのポイント
・未治療の進行性末端黒子型黒色腫を対象とした第2相試験
・抗PD-1抗体薬カムレリズマブとVEGF2阻害薬アパチニブと抗がん剤デモゾロミドの3剤併用の有効性安全性を検証
・3剤併用療法が、進行末端黒子型黒色腫の第一選択薬となる可能性が示唆される結果
2023年6月1日、医学誌『JAMA Oncology』にて、未治療の進行性末端黒子型黒色腫に対する抗PD-1抗体薬カムレリズマブ+VEGFR2阻害薬アパチニブ+テモゾロミド(製品名:テモダール)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT04397770)の結果がPeking University Cancer Hospital and InstituteのLili Mao氏らにより公表された。
本試験には合計50人の患者(男性64%(N=32人)、年齢中央値は57歳(52-62歳)が登録された。フォローアップ期間中央値13.4ヶ月時点における結果は下記の通りである。
主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は64.0%(95%信頼区間:49.2%-77.1%)、副次評価項目である奏効までの期間(TTR)中央値は2.7ヶ月、奏効持続期間(DOR)中央値は17.5ヶ月を示した。病勢コントロール率(DCR)は88.0%(95%信頼区間:75.7%-95.5%)、無増悪生存期間(PFS)中央値は18.4ヶ月(95%信頼区間:10.6ヶ月-未到達)、全生存期間(OS)中央値は未到達であった。
一方グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)として、γ-グルタミルトランスフェラーゼ値の増加が30%、好中球数減少が22%、血中ビリルビン値の増加が20%、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ値の増加が20%で確認された。
以上の第2相試験の結果よりLili Mao氏らは、「未治療の進行性末端黒子型黒色腫に対する抗PD-1抗体薬であるカムレリズマブ+VEGFR2阻害薬であるアパチニブ+テモゾロミド併用療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、本疾患の初回標準治療になり得る可能性が示唆されました」と結論付けた。
Camrelizumab Plus Apatinib and Temozolomide as First-Line Treatment in Patients With Advanced Acral Melanoma(JAMA Oncol 2023; doi:10.1001/jamaoncol.2023.1363)
あなたは医師ですか。