未治療の進行性腎細胞がんに対するマルチキナーゼ阻害薬カボメティクス+抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法、無増悪生存期間(PFS)を改善The New England Journal of Medicineより


  • [公開日]2023.05.17
  • [最終更新日]2023.05.17
この記事の3つのポイント
・過去に治療歴のない進行性腎細胞がんを対象とした第3相試験
カボザンチニブニボルマブおよびイピリムマブの併用治療の有効性および安全性を検証
・カボザンチニブ+ニボルマブ+イピリムマブの併用療法は、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法に比べて無増悪生存期間を優位に延長

2023年5月11日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて中リスクもしくは高リスクの未治療進行性腎細胞がんに対して、マルチキナーゼ阻害薬であるカボザンチニブ(商品名:カボメティクス)+抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名:オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCOSMIC-313試験(NCT03937219)の結果がToni K. Choueiri氏らにより公表された。

COSMIC-313試験は、中リスクもしくは高リスクの未治療進行性腎細胞がん患者(N=855人)に対してカボメティクス+オプジーボ+ヤーボイ併用療法を実施する群(N=428人)、もしくはプラセボ+オプジーボ+ヤーボイ併用療法を実施する群(N=427人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である12ヶ月無増悪生存率(PFS)は、カボメティクス+オプジーボ+ヤーボイ併用群の57%に対して、プラセボ+オプジーボ+ヤーボイ併用群で49%と、カボメティクス+オプジーボ+ヤーボイ併用群において、病勢進行または死亡(PFS)のリスクが27%減少(HR:0.73,95%信頼区間:0.57-0.94,P=0.01)した。一方の安全性として、グレード3もしくは4の有害事象(AE)発症率はカボメティクス+オプジーボ+ヤーボイ併用群の79%に対してプラセボ+オプジーボ+ヤーボイ併用群で56%を示した。

以上の第3相試験の結果よりToni K. Choueiri氏らは「中リスクもしくは高リスクの未治療進行性腎細胞癌患者に対するマルチキナーゼ阻害薬カボメティクス+抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、プラセボ+オプジーボ+ヤーボイ併用療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善しました」と結論を述べている。

Cabozantinib plus Nivolumab and Ipilimumab in Renal-Cell Carcinoma(N Engl J Med 2023; 388:1767-1778 DOI: 10.1056/NEJMoa2212851)

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