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早期非小細胞肺がん対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+化学療法、3年無イベント生存率67%を示す

[公開日] 2023.04.20[最終更新日] 2023.04.20

この記事の3つのポイント ・早期非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験 ・術前化学療法としてのオプジーボ+化学療法の有効性・安全性を化学療法と比較検証 ・長期フォローアップの結果、3年無イベント生存率は最小侵襲手術実施群67%、胸腔鏡手術・コンバージョン実施群61%を示しいずれも化学療法単剤に対して高率であった

3月29日~4月1日、デンマーク・コペンハーゲンで開催された欧州肺がん学会議(European Lung Cancer Congress 2023)にて早期非小細胞肺がん(NSCLC)対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate 816試験(NCT02998528)における無イベント生存期間(EFS)の長期フォローアップ結果が公表された。

CheckMate 816試験は、切除可能な非小細胞肺がん患者(N=358人)に対する術前補助療法として3週を1サイクルとしてオプジーボ360mg+プラチナ製剤を含む化学療法を最大3サイクル投与する群(N=179人)、もしくは3週を1サイクルとしてプラチナ製剤を含む化学療法を最大3サイクル投与する群(N=179人)に振り分け、主要評価項目として病理学的完全奏効(pCR)、無イベント生存期間(EFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、Major Pathological Response(MPR)、死亡または遠隔転移までの期間を比較検証した多施設共同無作為化非盲検の第3相試験である。 (参考:N Engl J Med. 2022 May 26;386(21):1973-1985. doi: 10.1056/NEJMoa2202170.

本試験の長期フォローアップの結果、最小侵襲手術(Minimally Invasive Surgery)を受けた患者群における3年無イベント生存率(EFS)はオプジーボ+プラチナ系抗がん剤化学療法群67%に対してプラチナ系抗がん剤化学療法群53%、胸腔鏡手術もしくはコンバージョン手術を受けた患者群における3年無イベント生存率(EFS)はオプジーボ+プラチナ系抗がん剤化学療法群61%に対してプラチナ系抗がん剤化学療法群51%を示し、どちらの場合でもオプジーボ+プラチナ系抗がん剤化学療法群で高率であった。また、手術を施行した患者群における再発率はオプジーボ+プラチナ系抗がん剤化学療法群28%に対してプラチナ系抗がん剤化学療法群42%を示した。

無増悪生存期間(EFS)中央値はオプジーボ+プラチナ系抗がん剤化学療法群未到達(95%信頼区間:31.6ヶ月-未到達)に対してプラチナ系抗がん剤化学療法群21.1ヶ月(95%信頼区間:14.8-42.1ヶ月)、プラチナ系抗がん剤化学療法群に比べてオプジーボ+プラチナ系抗がん剤化学療法群で病勢進行または死亡(EFS)のリスクを32%減少(HR:0.68、95%信頼区間:0.49-0.93)した。

以上の第3相CheckMate 816試験の結果より、Lung Clinic GrosshansdorfのMartin Reck氏は「これらの成熟したデータは非常に重要であり、早期非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治癒に大きな前進を意味します」と述べている。

Long-term event-free survival benefits of neoadjuvant nivolumab plus chemotherapy for resectable NSCLC(European Lung Cancer Congress 2023,Abstract 84O)
ニュース 肺がん NCT02998528

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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