センチネルリンパ節の同定およびリンパシンチグラフィに用いるテクネフチン酸キット、子宮頸がんなどで適応拡大を取得ーPDRファーマー


  • [公開日]2023.04.12
  • [最終更新日]2023.04.12

3月27日、PDRファーマ株式会社は、「子宮頸がん、子宮体がん、外陰がんおよび頭頸部(甲状腺がんを除く)におけるセンチネルリンパ節の同定およびリンパシンチグラフィ」を効能・効果として、テクネフチン酸キット(一般名:フィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液、以下テクネフチン酸キット)の適応拡大承認を取得したと発表した。

フィチン酸テクネチウム(99mTc)は、体内のカルシウムイオンと結合しキレート化合物を作り、コロイド化する特性を持つ。テクネフチン酸キットは、フィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液を調製するための凍結乾燥注射剤である。フィチン酸テクネチウム(99mTc)を投与後、リンパ管を経てコロイド化した状態でセンチネルリンパ節に到達し、その一部が細網内皮系に捕捉され、それを画像で検出することでセンチネルリンパ節を特定する。

センチネルリンパ節は原発巣に一番近いリンパ節であり、転移がある場合にがん細胞が最初にたどり着く。そのため、テクネフチン酸キットを用いて検査を行い、センチネルリンパ節にがん細胞がないことが確認できれば、リンパ節郭清の省略が可能となる。

同剤は、日本婦人科腫瘍学会および日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会からの要望に基づき開発を進め、2022年5月に申請を行っていた。テクネフチン酸キットはこれまでに乳がん、悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定およびリンパシンチグラフィ」を効能・効果として承認を取得している。

PDRファーマはリリースにて、「今回の一部変更承認取得により、乳癌、悪性黒色腫に加え、子宮頸がん、子宮体がん、外陰がんおよび頭頸部がん(甲状腺がんを除く)でも、本剤を用いたセンチネルリンパ節の同定およびリンパシンチグラフィで、リンパ節郭清後の後遺症に苦しむ患者さんを減らすことに貢献できると期待しています」と述べている。

リンパ節郭清とは
リンパ節郭清とは、がんの周りにあるリンパ節をがん細胞と合わせて外科手術で取り除くこと。がん細胞はリンパ節を経由して全身に広がっていくため、がんが転移している可能性がある部分を切除することで再発を予防する。

参照元:
PDRファーマ株式会社 ニュースリリース

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