再発/難治性節外性NK/T細胞リンパ腫(ENKL)に対する抗PD-L1抗体薬スゲマリマブ単剤療法、客観的奏効率44.9%を示すJournal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2023.04.06
  • [最終更新日]2023.04.04
この記事の3つのポイント
再発/難治性節外性NK/T細胞リンパ腫患者が対象の第2相試験
・スゲマリマブ単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は44.9%であり、28人で完全奏効を認めた

3月30日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて再発/難治性節外性NK(ナチュラルキラー)/T細胞リンパ腫(extranodal NK/T-cell lymphoma:ENKL)患者に対する抗PD-L1抗体薬であるSugemalimab(スゲマリマブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のGEMSTONE-201試験(NCT03595657)の結果がSun Yat-sen University Cancer CenterのHuiqiang Huang氏らによって公表された。

GEMSTONE-201試験は、再発/難治性節外性NK/T細胞リンパ腫(ENKL)患者(N=80人)に対して3週を1サイクルとしてスゲマリマブ1200mg単剤療法を最大24ヶ月間投与し、主要評価項目として独立評価委員会判定による客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として治験医師評価による客観的奏効率(ORR)、完全奏効率(CR)、奏効持続期間(DOR)、安全性を検証した第2相試験である。

本試験が開始された背景として、節外性NK/T細胞リンパ腫(ENKL)はNK細胞または細胞障害性T細胞由来であり、主に鼻腔およびその周辺で発症する。腫瘍進行速度は非常にアグレッシブであり、再発/難治性NK/T細胞リンパ腫(ENKL)の標準治療は確立されていないため予後は不良である。以上の背景より、再発/難治性節外性NK/T細胞リンパ腫(ENKL)患者に対する抗PD-L1抗体薬スゲマリマブ単剤療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である独立評価委員会判定による客観的奏効率(ORR)は44.9%(95%信頼区間:33.6-56.6%)、完全奏効率(CR)35.9%(N=28人)、部分奏効率(PR)9.0%(N=7人)を示した。副次評価項目である治験医師評価による客観的奏効率(ORR)は45.6%(95%信頼区間:34.3-57.2%)、完全奏効率(CR)30.4%(N=24人)を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)はグレード1~2程度であり、40.0%の患者でグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)が確認された。

以上の第2相のGEMSTONE-201試験の結果より、Huiqiang Huang氏らは「再発/難治性節外性NK(ナチュラルキラー)/T細胞リンパ腫(ENKL)患者に対する抗PD-L1抗体薬であるスゲマリマブ単剤療法は、強固で持続的な抗腫瘍勝手性を示し、良好な容認性を示しました」と結論を述べている。

Sugemalimab Monotherapy for Patients With Relapsed or Refractory Extranodal Natural Killer/T-Cell Lymphoma (GEMSTONE-201): Results From a Single-Arm, Multicenter, Phase II Study(J Clin Oncol. 2023 Mar 30;JCO2202367. doi: 10.1200/JCO.22.02367.)

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