新たな腹腔鏡手術支援ロボット「ANSURサージカルユニット」が医療機器承認を取得、手術時間の短縮と外科医のワークライフバランスの改善を期待ー国立がん研究センターー


  • [公開日]2023.04.03
  • [最終更新日]2023.03.29

3月23日、国立がん研究センター東病院は、腹腔鏡手術支援ロボットである「ANSURサージカルユニット」が医療機器として承認されたと発表した。

今回の開発の背景として、国立がん研究センター東病院では、大腸がん手術の8割以上が腹腔鏡によって行われている。手術を行う医師は、外科医3人であることが多く、執刀医のほか、執刀医の指示で鉗子を操作する助手や内視鏡カメラを操作するスコピストという役割を担う医師がいる。

今回開発されたANSURサージは、執刀医が自身の鉗子を持ったままロボットが保持する鉗子や内視鏡カメラを操作することができる、新しいコンセプトの手術支援ロボットである。通常助手とスコピストとして、2人の外科医が担っている作業をロボットが行えるようになる。それにより合理的な手術環境が整備され、執刀医は一人で鉗子と内視鏡カメラを直感的に操作できるため、自身が望む視野を確保でき、適度な強度で臓器を引っ張ったり、患部の切除ができると考えられている。手術操作のしやすさにより、手術時間の短縮や患者への負担軽減が期待できるという。また、執刀する外科医の減少を見込めるため、外科医のワークライフバランスの改善・向上も期待されている。

国立がん研究センター東病院の大腸外科長・医療機器開発推進部長である伊藤雅昭氏は「外科医の発想が出発点となり、この手術支援ロボットは生まれました。このロボットが、多くの臨床現場で使われ、多くの患者さんを治すことに役立つことを希望します。またこのロボット開発において、今まで日本にあまりなじみになかった『ベンチャー起業』による開発形態を我々は選択しました。迅速な意思決定のもと、最小の人員で最大の効果を生むこのような開発形態は今後も日本の中でも広がっていくと思います。「自分のアイデアが形になり、医療を変える」、こんなワクワク感を次の開発者にも味わっていただきたいです」と述べている。

なお、ANSURサージカルユニットは、国立がん研究センター発ベンチャーである朝日サージカルロボティクス株式会社と共同で開発しており、今回の承認は国立がん研究センター発ベンチャーによる医療機器としては、初めての承認取得である。

参照元:
国立がん研究センター プレスリリース

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