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難治性/転移性大腸がんの日本人患者に対するVEGFR阻害薬フルキンチニブ、全生存期間6.9ヶ月を示す

[公開日] 2023.03.31[最終更新日] 2023.03.31

3月17日、中HUTCHMED社は日本臨床腫瘍学会にて、難治性/転移性大腸がん患者に対するVEGFR1/2/3阻害薬fruquintinib(フルキンチニブ)の有効性と安全性を検証した第3相試験FRESCO-2(NCT04322539)のうち日本人患者における結果を公開したと発表した。

大腸がんは、結腸または直腸に発生するがんで、日本では最も罹患者数の多いがん腫である。早期大腸がんは外科手術で切除可能であるが、転移した場合は治療選択肢が限られているため、アンメットニーズが高い。

FRESCO-2試験は、難治性/転移性大腸がん患者(N=691人)に対して、28日を1サイクルとして1~21日目に1日1回フルキンチニブ50mgを投与+最善の支持療法(BSC)を実施する群と、プラセボ+BSCを実施する群に2:1に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)や安全性などを検証した。日本人は全患者の8%(N=56人)が参加し、40人にフルキンチニブが投与された。

日本人患者における同試験の結果、主要評価項目である全生存期間は、フルキンチニブ+BSC群で6.9ヶ月、プラセボ+BSC群で5.6ヶ月を示した(HR:0.42、95%信頼区間:0.19-0.92、p=0.055)。無増悪生存期間(PFS)は、フルキンチニブ+BSC群で3.6ヶ月、プラセボ+BSC群で1.8ヶ月であった(HR:0.27、95%信頼区間:0.13-0.56、p=0.004)。この結果は、全患者群における全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)と同様の傾向を認めた。

また、病勢コントロール率(DCR)は、フルキンチニブ+BSC群で62.5%、プラセボ+BSC群で25.0%を示した。客観的奏効率(ORR)はフルキンチニブ+BSC群で2.5%、プラセボ群で0%であった。

一方の安全性として、グレード3以上の有害事象発生率は、プラセボ群+BSC群で29.4%に対してフルキンチニブ+BSC群で71.8%と高率であった。フルキンチニブ+BSC群におけるグレード3以上の有害事象の内訳は、高血圧23.1%(N=9人)、手足症候群17.9%(N=7人)、蛋白尿7.7%(N=3人)であった。日本人患者における有害事象の発生率は、全患者群と比較して高率であり、投与中断や減量が行われた。

以上の結果より、リリースの最後に「難治性/転移性大腸がんの日本人患者において、フルキンチニブ+BSCは全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)において臨床的に意義のある改善を示しました。このことは、フルキンチニブが難治性/転移性大腸がんの日本人患者にとって新たな治療選択肢になる可能性を示唆するものになりました」と結論を述べている。

FRESCO-2試験とは 難治性/転移性大腸がん患者に対してフルキンチニブ+BSCを実施する群と、プラセボ+BSCを実施する群に振り分けた国際共同第3相試験。全患者群における結果として、主要評価項目である全生存期間(OS)は、フルキンチニブ+BSC群がプラセボ+BSC群に対して統計学的有意に延長した(HR:0.66、95%信頼区間:0.55-0.80、p<0.01)。無増悪生存期間(PFS)においては、フルキンチニブ+BSC群がプラセボ+BSC群に対して統計学的有意に延長を示した(HR:0.32、95%信頼区間:0.27-0.39、p<0.001)。

参照元:
HUTCHMED社 JSMO2023: Fruquintinib in Japanese patients with refractory metastatic CRC
ニュース 大腸がん NCT04322539

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