再発神経芽腫に対する同種幹細胞移植後の抗GD2抗体Dinutuximab β+低用量インターロイキン2併用療法、治療成功率54.4%を示すJournal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2023.03.07
  • [最終更新日]2023.03.06
この記事の3つのポイント
・再発神経芽腫に対する同種幹細胞移植後の患者が対象の第1/2相試験
・抗GD2抗体Dinutuximab β+低用量インターロイキン2併用療法有効性安全性を検証
・治療成功率は54.4%を示し、移植片対宿主病(GVHD)を引き起こした患者は2名であった

2月28日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて再発神経芽腫患者に対する同種幹細胞移植(Haploidentical Stem-Cell Transplantation)後の抗GD2抗体であるDinutuximab β+低用量インターロイキン2併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT02258815)の結果がUniversity Children’s HospitalのTim Flaadt氏らにより公表された。

本試験は、同種幹細胞移植(Haploidentical Stem-Cell Transplantation)後の再発神経芽腫患者(N=68人)に対して4週を1サイクルとしてDinutuximab β 20mg/m2を6サイクル投与し、4~6サイクル目の6、8、10日目に低用量インターロイキン2(1×106 IU/m2)を投与し、主要評価項目として治療成功率(success of treatment:病勢進行、予期せぬ有害事象(AE)の発現がない状態で治療終了後180日間生存することとして定義)を検証した第1/2相試験である。

他の臨床試験では、第3相試験(NCT00026312)にて導入療法、幹細胞移植に応答性を示したハイリスク神経芽腫患者に対する標準治療イソトレチノイン単剤療法、イソトレチノイン+Dinutuximab β+GM-CSF+低用量インターロイキン2併用療法の有用性を比較検証しており、標準治療に比べてイソトレチノイン+Dinutuximab Β+GM-CSF+低用量インターロイキン2併用療法で無イベント生存期間(EFS)、全生存期間OS)を統計学的有意に改善することが示されている。(参考:N Engl J Med. 2010 Sep 30;363(14):1324-34. doi: 10.1056/NEJMoa0911123.

以上の背景より、再発神経芽腫患者に対する同種幹細胞移植(Haploidentical Stem-Cell Transplantation)後の抗GD2抗体であるDinutuximab β+低用量インターロイキン2併用療法の実施可能性と有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である治療成功率(success of treatment)は54.4%(N=37/68人)を示した。評価項目である5年無イベント再発率(EFS)は43%(95%信頼区間:31-55%)、5年全生存率(OS)は53%(95%信頼区間:41-65%)を示した。

一方、安全性として2人の患者で移植片対宿主病(GVHD)を認めた。

以上の第1/2相試験の結果より、Tim Flaadt氏らは「再発神経芽腫患者に対する同種幹細胞移植(Haploidentical Stem-Cell Transplantation)後の抗GD2抗体であるDinutuximab β+低用量インターロイキン2併用療法は、移植片対宿主病(GVHD)を誘発するリスクが低く、長期寛解を得ることが可能である」と結論を述べている。

Anti-GD2 Antibody Dinutuximab Β and Low-Dose Interleukin 2 After Haploidentical Stem-Cell Transplantation in Patients With Relapsed Neuroblastoma: A Multicenter, Phase I/II Trial(J Clin Oncol. 2023 Feb 28;JCO2201630. doi: 10.1200/JCO.22.01630.)

×

この記事に利益相反はありません。