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進行性/再発子宮内膜がんに対するファーストライン治療としてのカルボプラチン+パクリタキセル+バベンチオ併用療法、無増悪生存期間9.6ヶ月を示す

[公開日] 2023.02.21[最終更新日] 2023.02.21

この記事の3つのポイント ・進行性/再発子宮内膜がん患者が対象の第2相試験 ・カルボプラチン+パクリタキセル±抗PD-L1抗体薬バベンチオ併用療法の有効性・安全性を比較検証 ・無増悪生存期間はカルボプラチン+パクリタキセル併用群9.9ヶ月、カルボプラチン+パクリタキセル+バベンチオ併用群9.6ヶ月であり、  バベンチオ上乗せ群で病勢進行または死亡リスクが22%減少した

2月14日、医学誌『The Lancet Oncology』にて進行性/再発子宮内膜癌患者に対するファーストライン治療としてのカルボプラチン+パクリタキセル±抗PD-L1抗体薬であるバベンチオ(一般名:アベルマブ、以下バベンチオ)併用療法への有効性、安全性を比較検証した第2相のMITO END-3試験(NCT03503786)の結果がIstituto Nazionale TumoriのSandro Pignata氏らにより公表された。

本試験は、進行性/再発子宮内膜がん患者(N=125人)に対するファーストライン治療として3週を1サイクルとして介入群としてカルボプラチンAUC5+パクリタキセル175mg/m2+バベンチオ10mg/kg併用療法を6~8サイクル実施し、その後2週を1サイクルとしてバベンチオ10mg/kg維持療法を病勢進行または良きせぬ有害事象(AE)が発現するまで実施する群(N=63人)、もしくはカルボプラチンAUC5+パクリタキセル175mg/m2併用療法を6~8サイクル投与する群(N=62人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、安全性などを比較検証したランダム化オープンラベルの第2相試験である。

本試験が開始された背景として、進行性/再発子宮内膜がんのファーストライン治療として化学療法に免疫チェックポイント阻害薬を追加することで転帰を改善する可能性が示されている。

例えば、他の臨床試験では、ミスマッチ修復欠損(dMMR)のある進行性/再発子宮内膜がんに対する抗PD-L1抗体薬バベンチオ療法は臨床的意義のある客観的奏効率(ORR)を示すことが第2相試験(NCT02912572)で確認されている。(参考:J Clin Oncol. 2019 Oct 20;37(30):2786-2794. doi: 10.1200/JCO.19.01021. Epub 2019 Aug 28.

さらに、バベンチオとは異なる免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体薬キイトルーダは、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)もしくはミスマッチ修復欠損(dMMR)のある進行性/再発子宮内膜がん患者に対して持続的な抗腫瘍効果を示すことが第2相のKEYNOTE-158試験(NCT02628067)で示されている。(参照:J Clin Oncol. 2022 Mar 1;40(7):752-761. doi: 10.1200/JCO.21.01874. Epub 2022 Jan 6.

以上の背景より、進行性/再発子宮内膜がん患者に対するファーストライン治療としてのカルボプラチン+パクリタキセル±抗PD-L1抗体薬バベンチオ併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、対照群であるカルボプラチン+パクリタキセル併用群の9.9ヶ月(95%信頼区間:6.7-12.1ヶ月)に対してカルボプラチン+パクリタキセル+バベンチオ併用群で9.6ヶ月(95%信頼区間:7.2-17.7ヶ月)と、カルボプラチン+パクリタキセル+バベンチオ併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを22%減少(HR:0.78、60%信頼区間:0.65-0.93、P=0.085)した。

一方、安全性として、重篤な有害事象はカルボプラチン+パクリタキセル+バベンチオ併用群で24件、カルボプラチン+パクリタキセル併用群で7件が報告された。最も頻度の高いグレード3~4の有害事象は好中球数減少であり、カルボプラチン+パクリタキセル+バベンチオ併用群で31%、カルボプラチン+パクリタキセル併用群で43%であった。

以上の第2相MITO END-3試験の結果より、Sandro Pignata氏らは「進行性/再発子宮内膜がん患者に足するファーストライン治療としてのカルボプラチン+パクリタキセルに抗PD-L1抗体薬であるバベンチオを追加することは、ミスマッチ修復の状態を考慮する必要があるが、進行性/再発子宮内膜がん患者においてさらなる試験を行う価値があります」と結論を述べている。

Carboplatin and paclitaxel plus avelumab compared with carboplatin and paclitaxel in advanced or recurrent endometrial cancer (MITO END-3): a multicentre, open-label, randomised, controlled, phase 2 trial(Lancet Oncol. 2023 Feb 14;S1470-2045(23)00016-5. doi: 10.1016/S1470-2045(23)00016-5. )
ニュース 子宮体がん NCT03503786

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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