再発リスクの高い早期肝細胞がんに対する術後補助療法としての抗PD-L1抗体薬テセントリク+アバスチン併用療法、無再発生存期間を改善スイス・ロシュ社


  • [公開日]2023.02.08
  • [最終更新日]2023.02.06
この記事の3つのポイント
再発リスクの高い早期肝細胞がん患者が対象の第3相試験
・術後補助療法としてのテセントリクアバスチン併用療法の有効性安全性をアクティブサーベイランスと比較検証
無再発生存期間はアクティブサーベイランスによる無治療群に比べてテセントリク+アバスチン併用群で統計学的有意に改善した

2023年1月19日、スイス・ロシュ社のプレスリリースにて再発リスクの高い早期肝細胞がん(HCC)患者に対する術後補助療法としての抗PD-L1抗体薬であるテセントリク(一般名:アテゾリズマブ、以下テセントリク)+アバスチン(一般名:ベバシズマブ、以下アバスチン)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のIMbrave050試験の事前に規定された中間解析の主要評価項目である無再発生存期間(RFS:recurrence-free survival)の結果が公表された。

IMbrave050試験は、根治目的の切除または焼灼療法後に再発リスクの高い肝細胞がん患者(N=662人)に対する術後補助療法として3週を1サイクルでテセントリク1200mg+アバスチン15 mg/kg併用療法を最大12ヶ月実施する群、もしくはアクティブサーベイランスによる無治療群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として独立判定機関の判定によるITT(intent-to-treat)集団における無再発生存期間(RFS)、副次的評価項目として全生存期間OS)、主治医の判定による無再発生存期間(RFS)、PD-L1陽性患者における無再発生存期間(RFS)等を比較検証した第3相試験である。

本試験の中間解析の結果、主要評価項目である無再発生存期間(RFS)はアクティブサーベイランスによる無治療群に比べてテセントリク+アバスチン併用群で統計学的有意に改善することが確認された。一方、副次評価項目である全生存期間(OS)は中間解析時点ではまだ十分なイベント数に到達していないため、最終解析までフォローアップが継続される。

安全性としては、既存の臨床試験で確認されているテセントリク、アバスチンそれぞれの安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。

以上のIMbrave050試験の事前に規定された中間解析の主要評価項目の結果より、ロシュ社・Chief Medical Officer and Head of Global Product DevelopmentのLevi Garraway氏は「再発リスクの高い早期肝細胞がん(HCC)は術後に70%以上の患者さんで再発を経験します。IMbrave050試験は、再発リスクの高い早期肝細胞がん(HCC)患者に対する術後補助療法としての抗PD-L1抗体薬テセントリク+アバスチン併用療法の有用性を証明した初の第3相試験です」と結論を述べている。

[Ad hoc announcement pursuant to Art. 53 LR] Roche’s Tecentriq plus Avastin is the first treatment combination to reduce the risk of cancer returning in people with certain types of early-stage liver cancer in a Phase III trial(F. Hoffmann-La Roche Ltd. Media releases)

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