・HER2発現の転移性胃食道腺がん患者が対象の第2相試験
・ファーストライン治療としての抗HER2モノクローナル抗体ザニダタマブ+化学療法の有効性・安全性を検証
・18ヶ月全生存率は84%、12ヶ月全生存率は88%を示した
2023年1月19日、Jazz Pharmaceuticals社、Zymeworks社のプレスリリースにてHER2発現の転移性胃食道腺がん患者に対するファーストライン治療としての抗HER2モノクローナル抗体であるZanidatamab(ザニダタマブ)+化学療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03929666)の初回解析の結果が公表された。
本試験は、HER2発現の転移性胃食道腺がん患者(N=42人)に対するファーストライン治療としてザニダタマブ+化学療法を実施し、評価項目として全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)などを検証した第2相試験である。
本試験の初回解析の結果、フォローアップ期間中央値26.5ヶ月時点において、全生存期間(OS)中央値は未到達であり、18ヶ月全生存率(OS)は84%(95%信頼区間:68-93%)、12ヶ月全生存率(OS)は88%(95%信頼区間:73-95%)を示した。客観的奏効率(ORR)は79%(95%信頼区間:63-90%)、病勢コントロール率(DCR)は92%(95%信頼区間:79-98%)であった。奏効持続期間(DOR)中央値は20.4ヶ月(95%信頼区間:8.3ヶ月-未到達)、無増悪生存期間(PFS)中央値は12.5ヶ月(95%信頼区間:7.1ヶ月-未到達)を示した。
一方の安全性として、本試験で確認された有害事象(AE)は既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、管理可能な内容であった。
本試験の初回解析の結果より、本試験の代表医師であるPrincess Margaret Cancer Centre・Elena Elimova氏は「胃食道腺がんは頻繁に発症するがんの一種であり、死亡率も高率です。過去の臨床試験における全生存期間(OS)データに比較して、本試験で確認された抗HER2モノクローナル抗体ザニダタマブ+化学療法併用療法の結果は非常に良好です」と述べている。
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