再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するオドロネクスタマブ療法、客観的奏効率53%を示すASH 2022


  • [公開日]2023.01.24
  • [最終更新日]2023.01.05
この記事の3つのポイント
・再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者が対象の第2相試験
・抗CD3/CD20二重特異性抗体薬オドロネクスタマブ単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は53%、完全寛解率は37%を示した

2022年12月10日~13日、米国ルイジアナ州・ニューオーリンズで開催されたASH 2022 Annual Meetingにて2種類以上の治療歴のある再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するヒンジ領域を安定化させたCD3とCD20の両方を標的とする二重特異性抗体薬であるOdronextamab(オドロネクスタマブ)療法の有効性、安全性を検証した第2相のELM-2試験(NCT03888105)の結果がSamsung Medical CenterのWon-Seog Kim氏らにより公表された。

ELM-2試験は、抗CD20抗体とアルキル化剤を含む2レジメン以上の治療歴のある再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対して21日間を1サイクルとしてオドロネクスタマブ療法を、1サイクル目の1日目、2日目に0.2mg、0.5mgずつ計0.7mgを投与し、8日目、9日目に2mgずつ計4mgを投与、15日目、16日目に10mgずつ計20mgを投与、2~4サイクル目は1、8、15日目に160mgを投与し、以降は維持療法として2週を1サイクルとして1日目320mgを病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証した国際多施設共同の第2相試験である。

本試験が開始された背景として、第1相のELM-1試験(NCT02290951)にて2レジメン以上の治療歴のあるグレード1~3a再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するオドロネクスタマブ療法は良好な客観的奏効率(ORR)53%、完全寛解率(CR)53%を示し、第2相試験推奨用量は1週を1サイクルとして160mgとして決定されている。以上の背景より、第2相試験ではサイトカイン放出症候群CRS)を含む急性毒性を軽減する目的の投与スケジュールの有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された121人の患者は下記の通りである。年齡中央値は67歳(24~88歳)。性別は男性が60%、Ann Arbor分類によるステージはIII~IVが80%、IPIスコアは3以上が58%、前治療歴中央値は2レジメン(2~8レジメン)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

本試験のフォローアップ期間中央値17.1ヶ月時点で有効性評価が可能であった90人の患者において、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は53%(N=48/90人)、完全寛解率(CR)は37%(N=33/90人)をそれぞれ示した。また、完全寛解持続期間(CR)中央値は未到達(95%信頼区間:10.2ヶ月-未到達)、9ヶ月完全寛解率(CR)は73%を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は84%(N=102人)を示した。30%以上の患者で確認されている治療関連有害事象(TRAE)はサイトカイン放出症候群(CRS)が53%、発熱が41%、貧血が34%であった。グレード3以上のサイトカイン放出症候群(CRS)の発現は確認されず、サイトカイン放出症候群(CRS)発症率はグレード1が35%、グレード2が13%であった。グレード5の治療関連有害事象(TRAE)は2人の患者で確認され、治療関連有害事象(TRAE)を理由により治療中止に至った患者は8人で確認された。

以上のELM-2試験の結果がWon-Seog Kim氏らは「再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するオドロネクスタマブ療法は臨床的意義のある抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした」と結論を述べている。

Odronextamab in Patients with Relapsed/Refractory (R/R) Diffuse Large B-Cell Lymphoma (DLBCL): Results from a Prespecified Analysis of the Pivotal Phase II Study ELM-2(64th ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 444)

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