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治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性膵臓がんに対するソトラシブ単剤療法、客観的奏効率21%を示す

[公開日] 2023.01.20[最終更新日] 2023.01.20

この記事の3つのポイント ・治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性膵臓がん患者が対象の第1/2相試験 ・KRAS G12C遺伝子変異阻害薬ソトラシブ単剤療法の有効性・安全性を検証 ・客観的奏効率は21%、無増悪生存期間は4.0ヶ月、全生存期間6.9ヶ月を示した

2022年12月21日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性膵臓がん患者に対するKRAS G12C遺伝子変異阻害薬であるソトラシブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のバスケット試験であるCodeBreaK 100試験(NCT03600883)の膵臓がんコーホートの結果がDuke Cancer Center・John H. Strickler氏らにより公表された。

CodeBreaK 100試験は、治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性膵臓がん患者(N=38人)に対して1日1回ソトラシブ960mg単剤を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証したシングルアームの第II相試験である。

本試験が開始された背景として、膵がん患者の約1~2%の患者でKRAS G12C遺伝子変異は確認されている。以上の背景より、治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性膵臓がん患者に対するKRAS G12C遺伝子変異阻害薬ソトラシブ単剤療法の有用性を確認する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は21%(95%信頼区間:10-37%)、無増悪生存期間(PFS)4.0ヶ月(95%信頼区間:2.8-5.6ヶ月)、全生存期間(OS)中央値6.9ヶ月(95%信頼区間:5.0-9.1ヶ月)を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は42%(N=16人)、グレード3の治療関連有害事象(TRAE)発症率は16%(N=6人)であった。治療関連有害事象(TRAE)による死亡、治療中止に至った患者は確認されなかった。

以上のCodeBreaK 100試験の膵臓がんコーホートの結果よりJohn H. Strickler氏らは「治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性膵臓がん患者に対するKRAS G12C遺伝子変異阻害薬ソトラシブ単剤療法は良好な抗腫瘍効果を示し、安全性も良好でした」と結論を述べている。 Sotorasib in KRAS p.G12C–Mutated Advanced Pancreatic Cancer(N Engl J Med. 2022 Dec 21. doi: 10.1056/NEJMoa2208470.)

ニュース 膵臓がん ルマケラス

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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