複数治療歴のある再発/難治性CD30陽性リンパ腫に対するCD16A/CD30バイスペシフィック抗体AFM13+臍帯血由来NK細胞併用療法、客観的奏効率97%を示すASH 2022


  • [公開日]2023.01.18
  • [最終更新日]2023.01.04
この記事の3つのポイント
・複数治療歴のある再発/難治性CD30陽性リンパ腫患者が対象の第1/2相試験
・CD16A/CD30バイスペシフィック抗体AFM13+臍帯血由来NK細胞併用療法の有効性安全性を検証
・客観的奏効率は97%であり、完全奏効率は63%を示した

2022年12月10日~13日、米国ルイジアナ州・ニューオーリンズで開催されたASH 2022 Annual Meetingにて複数治療歴のある再発/難治性CD30陽性リンパ腫に対するCD16A/CD30バイスペシフィック抗体AFM13+臍帯血由来NK細胞併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT04074746)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのYago Nieto氏らにより公表された。

本試験は、複数治療歴のある再発/難治性CD30陽性リンパ腫(N=30人)に対してAFM13、臍帯血由来NK細胞の投与5日前から3日間、フルダラビン+シクロホスファミドを投与し、活性化、増殖した臍帯血由来NK細胞+AFM13 100μg/mLを複合して投与後、7、14、21日目にAFM13 200mgを静注し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、完全寛解率(CR)、無イベント生存期間(EFS)、全生存期間期間(OS)を検証した第1/2相試験である。なお、臍帯血由来NK細胞は用量レベル1(106NK/kg、N=3人)、用量レベル2(107NK/kg、N=3人)、用量レベル3(108NK/kg、N=24人)の3つの用量レベルである。

本試験に登録された30人の患者背景は下記の通りである。年齢中央値43歳(20~75歳)。性別は男性が20人、女性が10人。リンパ腫の種類はホジキンリンパ腫(HL)が28人、T細胞非ホジキンリンパ腫(T-NHL)が2人。前治療歴中央値は6レジメン(1~14レジメン)。前治療歴の種類はブレンツキシマブベドチンが30人、抗PD-1抗体薬が29人、造血幹細胞移植歴が21人、CAR-T療法が2人。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

本試験のフォローアップ期間中央値8ヵ月時点における結果、無イベント生存率(EFS)は57%、全生存率(OS)は83%をそれぞれ示した。客観的奏効率(ORR)は97%を示し、奏効の内訳は完全寛解率(CR)が63%であった。第2相試験推奨用量は、レベル3(108NK/kg)と設定され、投与された患者24名の客観的奏効率(ORR)は100%、完全寛解率(CR)は70.8%を示した。

一方の安全性として、インフュージョンリアクション(IRR)発症率はAFM13+臍帯血由来NK細胞併用療法が0%、AFM13単独療法が6%(N=11人)を示し、発症した11人のグレードはグレード3が1人、グレード2が10人であった。

以上の第1/2相試験の結果よりYago Nieto氏らは「複数治療歴のある再発/難治性CD30陽性リンパ腫に対するCD16A/CD30バイスペシフィック抗体AFM13+臍帯血由来NK細胞併用療法は、忍容性のある良好性と高い抗腫瘍効果を示すとともに、今後さらなる検証が必要であることが示されました」と結論を述べている。

Innate Cell Engager AFM13 Combined with Preactivated and Expanded Cord Blood-Derived NK Cells for Patients with Double Refractory CD30+ Lymphoma(62nd ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 168)

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