複数治療歴のあるKMT2A/NPM1遺伝子変異陽性の再発/難治性急性白血病に対するメニンKMT2A阻害薬レブメニブ(SNDX-5613)単剤療法、全奏効率53%を示すASH 2022


  • [公開日]2023.01.13
  • [最終更新日]2023.01.04
この記事の3つのポイント
・複数治療歴のあるKMT2A/NPM1遺伝子変異陽性の再発/難治性急性白血病患者が対象の第1相試験
・メニンKMT2A阻害薬レブメニブ単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は全患者群で53%、KMT2A遺伝子変異群で59%、NPM1遺伝子変異群で36%を示した

2022年12月10日~13日、米国ルイジアナ州・ニューオーリンズで開催されたASH 2022 Annual Meetingにて複数治療歴のあるKMT2A/NPM1遺伝子変異陽性の再発/難治性急性白血病患者に対するメニンKMT2A阻害薬であるRevumenib(レブメニブ、SNDX-5613)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1相のAUGMENT-101試験の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのGhayas C. Issa氏らにより公表された。

AUGMENT-101試験は、複数治療歴のあるKMT2A/NPM1遺伝子変異陽性の再発/難治性急性白血病患者(N=68人)に対して28日を1サイクルとして12時間ごとにレブメニブ(SNDX-5613)単剤を経口投与し、評価項目として客観的奏効率(ORR)、安全性、忍容性などを検証したオープンラベルの第1相試験である。

本試験に登録された68人の急性白血病患者(KMT2A/NPM1遺伝子変異陽性60人を含む)の背景は下記の通りである。年齡中央値は43歳(1~79歳)。急性骨髄性白血病(AML)が56人、急性リンパ性白血病(ALL)が11人、混合形質性急性白血病(MPAL)が1人。遺伝子変異の種類はKMT2Aが68%(N=46人)、NPM1が21%(N=14人)、その他が12%。前治療歴中央値は4レジメン(1~12レジメン)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

全患者群における客観的奏効率(ORR)は53%(N=32/60人)、完全寛解率(CR)/血液学的寛解率(CRh)は30%(N=18人)、完全寛解率(CR)は20%(N=12人)、形態学的無白血病状態率(MLFS)は15%(N=9人)を示した。

KMT2A遺伝子変異群(N=46人)における客観的奏効率(ORR)は59%(N=27人)、完全寛解率(CR)/血液学的寛解率(CRh)は33%(N=15人)を示した。また、NPM1遺伝子変異群(N=14人)における客観的奏効率(ORR)は36%(N=5人)、完全寛解率(CR)/血液学的寛解率(CRh)は21%(N=3人)を示した。

有効性のフォローアップ期間中央値は4.6ヶ月であり、奏効持続期間(DOR)中央値は9.1ヶ月(95%信頼区間:2.7ヶ月-未到達)、全生存期間OS)中央値は7ヶ月(95%信頼区間:4.3-11.6ヶ月)を示した。なお、レブメニブ(SNDX-5613)治療を受けた12人の患者が造血幹細胞移植(ASCT)へ移行した。

一方、安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は下痢が3%、倦怠感が3%、腫瘍崩壊症候群(TLS)が2%、好中球減少症が2%、血小板減少症が2%、高カルシウム血症が2%、低カリウム血症が2%であった。治療関連有害事象(TRAE)による死亡、治療中止した患者は確認されなかった。

以上のAUGMENT-101試験の結果よりGhayas C. Issa氏らは「複数治療歴のあるKMT2A/NPM1遺伝子変異陽性の再発/難治性急性骨髄性白血病患者に対するメニンKMT2A阻害薬レブメニブ(SNDX-5613)単剤療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率も低率であり忍容性も良好でした」と結論を述べている。

The Menin Inhibitor SNDX-5613 (revumenib) Leads to Durable Responses in Patients (Pts) with KMT2A-Rearranged or NPM1 Mutant AML: Updated Results of a Phase (Ph) 1 Study(64th ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 63)

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