新規急性骨髄性白血病・再発/難治性急性骨髄性白血病に対するアザシチジン+ベネクレクスタ+抗CD47抗体薬マグロリマブ併用療法、抗腫瘍効果を示すASH 2022


  • [公開日]2023.01.11
  • [最終更新日]2023.01.04
この記事の3つのポイント
・新規急性骨髄性白血病(AML)・再発/難治性急性骨髄性白血病患者(R/RAML)が対象の第1/2相試験
・アザシチジン+ベネクレクスタ+マグロリマブ併用療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率はAML80%、R/RAMLのうちベネクレクスタ治療歴のない患者で75%を示す

2022年12月10日〜13日、米国ルイジアナ州・ニューオーリンズで開催されたASH 2022 Annual Meetingにて新規急性骨髄性白血病(AML)・再発/難治性急性骨髄性白血病(R/RAML)患者に対するアザシチジン+BCL-2阻害薬であるベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス、以下ベネクレクスタ)+抗CD47モノクローナル抗体であるMagrolimab(マグロリマブ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT04435691)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのNaval Daver氏らにより公表された。

本試験は、新規急性白血病(AML)・再発/難治性急性骨髄性白血病(R/RAML)患者に対して1~7日目にアザシチジン75mg/m2+1~28日目にベネクレクスタ400mg+1サイクル目は1、4日目にマグロリマブ1mg/kg、8日目15mg/kg、11、15、22日目に30mg/kg(2サイクル目は1週に1回、3サイクル目以降は2週に1回)併用療法を実施し、主要評価項目として安全性、最大耐用量(MTD)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、全生存期間OS)等を検証した第1/2相試験である。本試験に登録された患者のうち、41人の患者が新規急性骨髄性白血病(AML)、29人の患者が再発/難治性急性骨髄性白血病(R/RAML)である。

新規急性骨髄性白血病(AML)患者群における客観的奏効率(ORR)は80%(N=33/41人)、TP53遺伝子変異ステータス別の客観的奏効率(ORR)はTP53遺伝子変異陽性群で74%(N=27人)、TP53遺伝子変異陰性群で93%(N=27人)を示した。

再発/難治性急性骨髄性白血病(R/RAML)患者群においては、前治療歴としてベネクレクスタ治療歴のある患者(N=2人)で2人とも奏効が確認され、それぞれの奏効持続期間(DOR)は3.6ヶ月、2.5ヶ月を示した。前治療歴としてベネクレクスタ治療歴のない患者(N=12人)では8人(75%)の奏効が確認され、それぞれの奏効持続期間(DOR)中央値は5.1ヶ月、全生存期間(OS)中央値は7.4ヶ月を示した。

最も多くの患者で確認されたグレード3以上の非血液関連有害事象(TRAE)は発熱性好中球減少症が50%、肺炎が38%、高ビリルビン血症が11%、トランスアミナーゼが11%、クレアチニン上昇が8%、低カリウム血症が8%であり、免疫関連の有害事象(AE)は確認されていない。

以上の第1/2相試験の結果よりNaval Daver氏らは「新規急性骨髄性白血病(AML)・再発/難治性急性骨髄性白血病(R/RAML)患者に対するアザシチジン+BCL-2阻害薬ベネクレクスタ+抗CD47モノクローナル抗体マグロリマブ併用療法は管理可能な安全性プロファイルを示し、新規急性骨髄性白血病(AML)群では良好な抗腫瘍効果を示しました。また、再発/難治性急性骨髄性白血病(R/RAML)群では前治療歴としてベネクレクスタ治療歴のある患者においては適度な奏効を示しました」と結論を述べている。

Phase I/II Study of Azacitidine (AZA) with Venetoclax (VEN) and Magrolimab (Magro) in Patients (pts) with Newly Diagnosed (ND) Older/Unfit or High-Risk Acute Myeloid Leukemia (AML) and Relapsed/Refractory (R/R) AML(62nd ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 61)

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