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再発/難治性多発性骨髄腫に対する抗GPRC5D標的CAR-T細胞療法BMS-986393(CC-95266)、良好な抗腫瘍効果を認める

[公開日] 2023.01.05[最終更新日] 2023.01.05

この記事の3つのポイント ・複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者が対象の第1相試験 ・CAR-T細胞療法BMS-986393(CC-95266)の有効性・安全性を検証 ・86%の患者で奏効が確認され、奏効持続期間は未到達であった

2022年12月10日~13日、米国ルイジアナ州・ニューオーリンズで開催されたASH 2022 Annual Meetingにて複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者に対する抗Gタンパク質共役受容体クラス5メンバーD(GPRC5D)標的キメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法のBMS-986393(CC-95266)の有効性、安全性を検証した第1相のCC‑95266‑MM‑001試験(NCT04674813)の結果がUniversity of Alabama at BirminghamのSusan Bal氏らにより公表された。

本試験は、複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者(N=17人)に対してBMS-986393(CC-95266)を投与し、主要評価項目として安全性、忍容性、最大耐用量(MTD)、第2相試験推奨用量を検証した多施設共同オープンラベルの第1相試験である。なお、BMS-986393(CC-95266)の投与前に、スクリーニングと白血球除去を行い、必要であればブリッジング療法が実施される。その後、リンパ節除去化学療法としてフルダラビン30mg/m2+シクロホスファミド300mg/m2を3日間連日投与される。

本試験が開始された背景として、再発/難治性多発性骨髄腫に対するB細胞成熟抗原(BCMA)を標的にしたキメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法は深く、持続的な抗腫瘍効果を示すことが確認されている。しかしながら、再発は頻繁に発症しており、新規治療薬の開発が必要である。以上の背景より、多発性骨髄腫で多くの発現が確認されているGタンパク質共役受容体クラス5メンバーD(GPRC5D)を標的にしたキメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法であるBMS-986393(CC-95266)の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。ハイリスク染色体異常(del[17p]、t[4;14]、and/or t[14;16])のある患者は47%(N=8人)、髄外性形質細胞腫を有する患者は47%(N=8人)。前治療歴は抗B細胞成熟抗原(BCMA)を標的にした治療歴のある患者は41%(N=7人)、5クラスの薬剤抵抗性のある患者は24%(N=4人)であった。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

有効性評価可能であった14人の患者のうち12人(86%)の患者で奏効が確認され、奏効が確認された患者のうち、抗B細胞成熟抗原(BCMA)を標的にした治療歴のある患者が4/6人、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的にしたキメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法歴のある患者が3/5人含まれていた。追跡期間4.0ヶ月における奏効期間の中央値は未到達であった。

一方安全性として、グレード3もしくは4のBMS-986393(CC-95266)の治療関連有害事象(TRAE)発症率は65%(N=11/17人)、最も多くの患者で確認された有害事象(AE)は好中球減少症が41%、血小板減少症が35%であった。用量制限毒性(DLT)は2人の患者で確認され、それぞれ好中球減少症、血小板減少症であった。サイトカイン放出症候群(CRS)の発症率は65%(N=11/17人)で、全ての患者はグレード1もしくはグレード2で、発症持続期間中央値は2日、細胞関連神経毒性症候群(ICANS)の発症率は12%(N=2/17人)で、2人ともグレード1であった。

以上のCC‑95266‑MM‑001試験の結果よりSusan Bal氏らは「複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者に対する抗Gタンパク質共役受容体クラス5メンバーD(GPRC5D)標的キメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法のBMS-986393(CC-95266)は良好な安全性プロファイルを示しました。サイトカイン放出症候群(CRS)、神経毒性の発現は低グレードです。また、良好な抗腫瘍効果も確認され、抗Gタンパク質共役受容体クラス5メンバーD(GPRC5D)標的キメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法は再発/難治性多発性骨髄腫(R/RMM)の新しい治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。現在用量拡大パートが行われており、今後最新のデータが発表される予定です」と結論を述べている。

Clinical Activity of BMS-986393 (CC-95266), a G Protein–Coupled Receptor Class C Group 5 Member D (GPRC5D)–Targeted Chimeric Antigen Receptor (CAR) T Cell Therapy, in Patients with Relapsed and/or Refractory (R/R) Multiple Myeloma (MM): First Results from a Phase 1, Multicenter, Open-Label Study(64th ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 364)
ニュース 多発性骨髄腫 NCT04674813

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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